密室 2人きり なんか緊張する
突然、陽介がスッと私の頬に触れてきた。
陽介の手は元の位置に戻った。
なんか私だけドキドキしてるみたいじゃん
それは… それは、何なんだろう でも兄妹と間違われた時に陽介が否定してくれなかった時は何故かモヤッとした。
「あなたにとっての俺って何なの?」
その言葉がさっきから頭にこびりついて離れない。
駅
綺麗な人だな。
あんまり気にしてなかったけど、陽介ってモテるんだ。
にしても逆ナンなんて初めて見た。
女の人が陽介に向かって手を伸ばしてきた。
あ。やだ。行かないで。
パシッ
どうやら私は無意識のうちに女の人の手を叩いてしまったみたいだ。
「あなたにとっての俺って何なの?」
あ、そっか。私は陽介の彼女でもなんでもないんだ。
私は陽介に告白されて浮かれてたんだ。
陽介はずっと私のことを好きでいてくれるんじゃないかって。
そう勘違いしてたんだ。なんておこがましいんだろう。
もし陽介が私に飽きてしまったら、陽介はこんな綺麗なお姉さんのところに行ってしまうのだろうか。
自分勝手だと思うけどそれは嫌だ。
陽介がそっと私の肩を抱き寄せニィッと笑った
またこの顔だ。私は陽介のこの顔に何度も救われてきた。
私は人のことを感情に任せて叩いてしまったのに。
最低なことをしたのに。
また救ってくれるって言うの?どこまでお人好しなの?
陽介は私の手をとり歩き出した
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。