阿部side
『生配信の場所までは車で移動するので大人しく後部座席に横になるようにして隠れててください。警察とかに見つかりたくないので』
俺は指示に従い
後部座席に横になるようにして隠れた。
『出発します』
と言うと車は走り出した。
俺はこの隙にメンバーに伝えないといけない。
阿部:みんな
深澤:どうしたの!!阿部ちゃん今どこ?
阿部:素野田さんに連れられて…これから生配信するらしい
岩本:生配信??
阿部:そう、今どこを走ってるかも向かってるかもわからない…
向井:前社長が阿部ちゃんに渡したボールペンは?
阿部:抜き取られてる…
ラウ:じゃあどこかわからない
阿部:今ちょっと外見てみる。
阿部:○○消防署の近く!
佐久間:待ってて阿部ちゃん今行く!
目黒:バレないようにね
頼む、早く来て!
『もうすぐで着きます』
その声とともにメンバーから連絡が来た。
渡辺:もう着くよ、待ってて
宮舘:多分あの乗用車だよね。黒い車でしょ?
阿部:そう
あともう少し!もう少しだ…
『着きましたよ、生配信の舞台に』
まあまあ広い場所に来たけど…ここで生配信。
世間はどんな目で見るだろうか…
でも俺は決めた。
生配信の前にここから逃げ出す。
多分メンバーはすぐ近くまで来ていると思う。
作戦としては
①メールで逃げ出すタイミングの確認
②素野田さんが俺から視線を逸らした隙に俺の事を迎えに来たメンバーのところへダッシュ
③メンバーが乗ってきた車に乗り素野田さんを巻く
よし、いけるよね?みんな…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。