飛行機
そう、あなたとまるの席の後ろは壁
周りは斜め前しか知らない人はいない
まるside_
あなたがふぉいとディープしてる。
俺の時は拒否してたのに。
なんでふぉいだけ…。
あなたとふぉいの小さなリップ音と
口を離した時の銀色の糸が
俺の心を深く傷つけた。
レペメンがライバルってだけあって
嫉妬する気持ちは何倍も痛い。
でも告白できない弱い自分がいる。
やっぱりあなたは結局
ふぉいが好きなんじゃないかって
だって、見た目も完璧で
中身も完璧。
俺なんか比べものにならない。
そんなこと目の前でしといて
俺の気持ち知ってるくせに
俺の名前を呼んでくる
そんなの今更聞くなよ。
俺が嫉妬しとることくらい
そう言って俺はそっぽ向いた。
ほら
こんなかっこ悪い自分見せたのは俺なのに
あなたの顔見るとふぉいとキスしてるの思い出しそうで。
なんだよこれ。
恋愛漫画とかアニメでよく見るやつやん。
ベタなシーン。
でも、意外と心が騒がしくなったりする。
あなたが笑った。
微笑んだって言うの?
どうせ俺よりふぉいのがあなたの脳内にはいるんだ。
ふぉいが好きなくせに
思い込み…。
いや、事実。
は?
ロック画面…
ホーム画面…
キーボード…
フォルダ…
俺の寝顔の写真。
俺が知らない写真。
気持ち悪いわけ…ないやん。
泣きそうなほど嬉しい…
ふぉいも銀太も脇も寝てる。
社長は編集。
今は、何してもバレない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。