第27話

25.
5,713
2021/04/25 15:15





大我「どう、する?」

優吾「あなたのやりたいようにすればいいからね?」



なんなこと言っときながら


続けたい、なんて言えば


口を揃えて反対するくせに


みんなの方を向き直り


一人一人の目を見る



「SixTONES、お休みします。ほんとにごめんなさい」



色んな意味を込めて、


そういい頭を下げた


こんなことになってごめん、


これからのSixTONESを一緒に支えていけなくてごめん、


苦しい思いさせてごめん、


これからも迷惑ばかりかけると思う、


全部、全部、


どれだけ言ったって足りない


ゆっくりと顔を上げ


目が合った彼を見て緩く笑う



樹「すぐ戻ってこいよ」

「無理だよっ、」

樹「ずっと待ってるからな」

「だから、」

樹「戻ってこないとかなしだから」



なんでそんなこと言うかな、


泣かせにきてんの?



「もー、!!また泣いちゃうじゃん!!」



少し強めに樹の体を叩く


今日をもって


成宮あなたは


ジャニーズとしての活動を休止する


と言っても、きっともう戻ってくることは無い


いつでも戻ってこれるように、あなたが死んでもSixTONESは7人だから、


なんて樹が言い張るから


こんなややこしいかたちになった


それでも、


それだけでも嬉しかった


静かに幕を閉じたジャニーズ人生は


振り返れば笑っていることしか無かった


大好きな仲間に囲まれながら


一生こんな生活が続くと思ってたのに、


今、終わりが来たのだ


それでも良かった


こんなに愛されていると思えるだけで満足だった



慎太郎「なんか寂しくなるな」

ジェシー「ほんとにね」

北斗「俺無理な気がしてきた」

「そんな事言わないでよ、安心して死ねないじゃん」

優吾「じゃあ、もう死ななくていいじゃん」

「そんなの無理だよっ、」

大我「ほんとに死ぬんだよね」

「死ぬよ」

樹「抱きしめてもいい?」

「いいよ」



なんて、返すのと同時に抱きしめられる


痛いほどに


何度も嗅いできたこの匂い


苦しかった時も、嬉しかった時も、楽しかった時も、


いつでも隣にあった


それなのに、


こんなに近くで感じたのは初めてな気がした



「樹、?」

樹「なに」

「大好きだよ」



少し間が空く、


今じゃなかったかな、?


それでも言いたくなったから



樹「俺も」



バカップルみたいな会話に


頬を緩めながらも


幸せに浸った


こんなに幸せなら


毎日抱きしめてもらおう


それでも、もう1年もないんだ
















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