第14話

12.
7,253
2021/04/09 15:49





大我side








意味がわからなかった


死ぬ、とか、


なにそれ。


フリーズしたままのメンバーに対し


泣きたい癖に、怖いくせに、


また強がって、誤魔化すように


ふにゃ、っと笑うあなた



樹「お前これドッキリだろ」

北斗「樹」



動揺してるのはみんなそうだ


だけどこんな空気、


どんどんガチっぽくなってさ、



樹「絶対うそ。なに、お前からかってんの?」

北斗「樹、!」



北斗の膝の上で何も言わないあなた


樹の気持ちもわかるし、


あなたの気持ちも分かる、


北斗が樹をなだめたあとあなたの所へ行く



北斗「病院、行ったの?」

「うん」

北斗「なんて言われた?」

「持って1年だって、」



そう言い切るあなた


きっと今、俺が見てる景色は


夢でも、空想でもなく現実らしい


北斗が大きなため息を吐いたあと


頭を雑に掻きその場に座る



「ごめん、」

ジェシー「なんであなたが謝るの」



ジェシーがそう聞けば


また何も答えない



優吾「もしホントならさ、俺はちゃんと受け止めるよ」



どうなの、?なんて聞かれたあなたは


また顔を上げて笑顔を作る



「ほんとだよ、ごめんね、急にこんなこと言って」



誰も喋らなかった


誰も悪くない、


悪いのはこうさせた神様ぐらいだ


意味もわからず、形のないものに怒りをぶつけたいのは


みんな同じだった



樹「なんで?なんでもっと早く言わねぇの?」

「こっちの身にもなってよ、」

樹「は?」

「言えるわけないじゃんっ、、!!!」



既にあなたの頬には涙が伝ってた



北斗「樹やめろ」

大我「あなた、」



止めたはずの涙が


今度は止まりそうにないほど溢れていた


そんなあなたを前から抱きしめる



大我「あなたは悪くないから」



優しく背中をさすれば


シワができるぐらい俺の服を強く掴む


声を抑えながらも


心の中で泣き叫ぶあなたが


消えてしまいそうで怖かった


今泣きたいのはきっとみんな一緒だった


メンバーの死がもうすぐそこにあると知った今


俺に何ができるんだろう、


こうして抱きしめる以外にできることなんて、


この小さな体で抱えてる量に比べたら


きっと今の俺は弱いだけだ


























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