第21話

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2021/04/24 13:59



慎太郎side









北斗「やりたいこと、とかないの?」



仕事終わりの楽屋で


北斗がそんなことを言い出す


ありがちだよね、


死ぬまでにやりたいことリストとか、


んで、俺らがそれを叶えてあげる、


ていう、やつでしょ?


全部叶えたらどうなるの?


リストが全部終わったら?


ほんとに死ぬの?


そこにいるのに?


こんなに目の前にいるのに?


嘘みたいだけど、本当なんだな、


うーん、なんて言いながら


考えるあなたが


いつかほんとに俺らの前から消えていくのが


たまらなく怖い


でもきっと今じゃない



慎太郎「そもそも作ってないんじゃない?」

「うん、作ってない」

大我「ないの?やっておきたいこととか」

ジェシー「全部叶えてあげるよ」

「え?!ほんとに!?」

ジェシー「で、できる範囲でね??」

優吾「ハードル下げんなよ」



そんな会話をしてる間に


あなたの目の前にペンと紙を置く樹



樹「書いてみ?なんでもいいから」



そう言う樹に


ペンを手に取り紙と向かい合うあなた


みんながあなたの手元を見る


ペンを持つ指に力が入ってた



「ほんとになんでもいいの、?」



顔を上げて樹にそう聞くあなたに


いいよ、と優しく返す樹



「わかった、」



いつもみたいににこ、っと笑った後


もう1回紙を見たかと思いきや


机の上にペンを置くあなた



「ひとつだけ。お願いがあります。」



改まってそんなことを言い出すから


黙ったままあなたを方を見た


深く深呼吸をしてから



「私が死ぬまで、一緒にSixTONESやってください」



残りの時間、それだけでいいから隣にいてくれませんか?、そう付け足したあと


どこか照れくさそうに笑う



樹「ああぁ!!もう!!!」

北斗「お前そうゆうこと言うなよ」

樹「バカが」



すごい勢いで樹に抱きしめられたあなたは


樹の腕の中にすっぽりとハマったまま


幸せそうにケラケラと笑う


俺だって抱きしめたい


あんなにも脆くて壊れそうなあなたを


今すぐにでも抱きしめたい


でも、それは俺の担当じゃない


樹のポジションだから、


俺は我慢、



慎太郎「そうゆうのはね、ほんとだめだよ」



顔を覗き込みそんなことを言えば



「叶えてくれる?」



なんて、少し潤んでいる目を向けて


聞いてくる



慎太郎「お易い御用」

「やったぁ」



子供みたいにそう喜んだあと


私幸せだ、なんて言って


相変わらず樹の腕の中で


俺の方を向いてにこ、っと笑う


少しの間、動けなかった


いつにも増して綺麗なあなたの瞳を


きちんと見つめる



「慎太郎?どーした?」

慎太郎「ん、?なーんでもっ、」

「なにそれ」



きっと間違ってる


こんな人が死ぬなんて、


なんであなたなんだろう、


俺じゃダメだったのかな


死なないでよ、なんて言ったところで


困らせるだけだ


ぽんぽん、と頭を撫で


視界が歪まないうちにあなたから離れた






















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