家の中で1人、
仕事も用事も何も無い。
朝から何をしたかも思い出せないぐらい
薄い1日だった、
あと少ししかないって言うのに
こんな意味の無い日
すごく勿体ないような気がして、
何故かすごく虚しくなる
6人になったSixTONESは今日は雑誌撮影らしい
朝に北斗から電話があって以降
誰とも何も話してない、
うるさいとすら思うのに、
今ではそれが恋しい
寂しさ予防のために流れているだけのテレビを
懐かしいライブ映像に変える
みんな笑ってて、
私も笑ってる。
この頃はあと少しで死ぬなんて思ってもいないんだろうな
悩み事なんてひとつもないような
弾けんばかりの笑顔で大好きな6人に囲まれている自分に
少し嫉妬する
もう同じステージにも立てないし、
体力は確実に落ちている
息が上がったかと思えば、すぐに苦しくなる
こんな不便な体なんていらないとさえ思った
でも私がそんな弱音を吐いてるわけにはいかない
テレビ画面の奥の世界に見とれながら
そんなことを思う
なんて、そんな空間に着信音が響いた
スマホ画面には
「北斗」なんて文字だけが表示される
それだけでたまらなく嬉しかった
「もしもし!」
___北斗「テンション高ぇな」
「撮影終わったの?」
___北斗「うん」
「お疲れ様!」
これだけの会話でも楽しくて、
嬉しくて、
天国に行ってもとっておきたかった
___樹「ちょ、北斗変われって!!」
___北斗「これ俺のスマホなんだよ!!」
___ジェシー「DHAHA!!」
スマホの奥から聞こえてくるそんな会話に
思わず頬が緩む
___北斗「あなた、」
不意に名前を呼ばれ
「ん?」とだけ返せば
___北斗「玄関、開けてみ」
それだけの言葉に
心臓が飛び出るぐらい胸が高なった
リビングを出て、廊下の電気も付けずに
玄関の扉を勢いよく開けた
慎太郎「うおっ、!」
そしてそのまま見えた人影に抱きついた
やっぱり大好きな匂いだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!