僕は暫くの間、何色にしようかすごく悩んだ。
自分の誕生石の色にしようか、とか誕生花をイメージしようか、とか。
そういうことをあれこれ考えてみたけど何かしっくり来なくて。
そんな時、ふとグガの誕生色を調べてみた。
9月1日の誕生色。
それは、緑だった。
何故かそれを見た瞬間、直感的にこれだ、と思った。
理由は分からない。ただ何となく
だけど僕はこの色をすごく大事にしないといけない気がした。
マイクカラー決定の話し合いの時、僕は緑がいいと言った。
メンバーは何で?と言う顔をしたけど、理由は僕だけが知っていればいいんだ。
だから、何も言わずに微笑んでおいた。
そしてジョングガは――
ハッキリと、そう告げた。
きっとすごく勇気がいるだろうし最後の最後まで悩んだと思う。
だけど僕が思った通り、メンバーは全員笑って
『紫はお前が持ってろ』
そう、言っていた。
その言葉を聞いた瞬間グガはすこし泣きそうな顔になって、だけど嬉しそうな表情を浮かべていた。
グガが紫を持とうとした理由。
それはきっと自分にとってもアミにとってもとても大事な色だから、という理由だと思う。
だけど、少し。ほんの少しでも、僕を意識して紫を選んでくれてたならいいな、と思った。
🐰🐯
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。