木曜日の放課後。
利来先輩とショッピングモールに来ていた。
先輩には小学生の妹がいて、明日が誕生日らしい。そこで、プレゼントを一緒に考えてほしいということで今に至る。
私は1人っ子だから妹がいるって羨ましい。
可愛いだろうなぁ…。
あ、あれは…マシュうさ!!
先輩はマシュうさのキーホルダーを取ってレジに並び私に渡してきた。
ニカッと笑って私の手を引っ張る。
初めてもらったプレゼント。
可愛いマシュうさ…。
これ、並んで買うの恥ずかしくなかったかな?
先輩は優しい。
今だって、私の手を軽く握ってくれてる。
きっと、妹さんにも優しいんだろうな。
クールな顔に隠された甘い笑顔。
その笑顔に私は弱い。
家に着くまで、先輩は私の手をはなさなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。