キャンプが終わって、またいつもの日常に戻る。あの時、はじめて礼央くんと手を繋いだ。
礼央くんは何も言わなかったけど、私はあの後も顔の熱がおさまらなくて大変だった。
あのカフェって、そんなに人気なんだ。
確かにお客さんも多かったし…何よりあの苺タルトは本当に美味しいから、泉くんもバイト大変だろうなぁ。
放課後、桃香と一緒にカフェへやってきた。
店内は私達みたいな学校帰りの女の子たちがいっぱいいる。
席に案内される。
泉くんも忙しそうだ。
泉くんのいたずらは私の反応みて面白がるというか…。
まるで少女漫画のようなことしてくるから、いつもびっくりしちゃう。
ケーキを持ってきてくれた泉くんが話しにはいってくる。
くっつけてはいけない2人をくっつけてしまった…。
この後も私を見ながらからかう2人を相手にケーキを食べ終えた。
紙切れを私の手にのせる。
そこには番号が書かれていた。
携帯を取り出して番号を交換する。
私の耳に手をあててささやく。
いそいでカフェから出る。
待っていた桃香ところへ走る。
ニヤニヤしながら聞いてくる桃香。
まだ耳に感覚が残ったまま、私は今日を終える。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!