先制点を決め、どんどんまとまりが出てきたが、相手もそれに食いついてくる。
パシュッッ!
相手チームが、ゴールを決め、同点。
自分勝手に動いても迷惑をかけるだけだとわかってる。
だけど、焦りが収まらない。
大丈夫。俺ならやれる...
俺なら...
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先輩からどんどん笑顔が消えてる。
後半に入り、まだ、1-1の同点。
チームが焦ってるのがちょっとずつ伝わってくる。
先輩の声は2階席まで聞こえる声で指示していた。
私は辛そうな先輩を見たくなくて、会場から逃げた。
1階に降りても先輩の声が響く。
監督さんの声も。
耳を塞ぎたくなった。
ピーーーー!!!
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見ないで欲しい。
こんな情けない俺を。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!