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第4話

2nd story
18
2018/07/24 11:34
新島紗綾
新島紗綾
もう1回言ってくれますか?
そう言うだけで精一杯だった。
頭の中が真っ白で何も考えられない。

(蒼母)そうよね…もう1度言うわね。蒼がさっき事故にあって死んだわ…
新島紗綾
新島紗綾
う…そ…
(蒼母)私も嘘だと思いたいけれど、これは現実なの。

蒼のお母さんは言葉につかえながらも話してくれた。でもまだ頭がぼーとして何も考えられない。
(蒼母)今は何も考えられないと思う。でも整理がついたら家まで来てくれるかしら?
私は返事をすることができなかった。
でも蒼のお母さんはそれを察したのだろう。
電話は切れた。
その夜、私は堂々めぐりの考えを繰り返した。
蒼はもういないと考えても受け入れられない。
せめて気持ちを話しておけば…。
そんなことばかりを考えてしまう。
行きついた答えは、過去に戻りたい、だ。

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