第13話

思い浮かぶは涙 side 黒須 茜
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2021/01/13 05:34
黒須 茜
黒須 茜
じゃ、ここからは1人で大丈夫だな
華宮 結
華宮 結
ここから…ってここ最寄り駅なんですけど…
黒須 茜
黒須 茜
うん、知ってた

そう言うと華宮さんの顔がみるみる赤くなっていく

ほんと…分かりやすい奴。
黒須 茜
黒須 茜
じゃ、またな
華宮 結
華宮 結
うん。今日はありがとね

とヒラヒラ手を振る彼女



家へ向かう彼女を見送って改札へ戻る



…ん?

足を止める


なんかさっきからやけに視線を感じる気が
黒須 茜
黒須 茜
…は

目の前にいるのは手を繋いでいる恋人…なのか




いや、そんな訳。







何でいるんだ
黒須 茜
黒須 茜
浅田…
妹か…?

いや、あんな同級生っぽい妹と手なんか繋がないだろ



『あ、ごめん。ちょっと今週は…』

『ううん、こっちこそ急にごめんね』


盗み聞きしてた二人の会話


彼女のデート断っといて別の女…か。






父親を思い出す
父親
父親
ごめんな茜。俺のせいだ…俺が母さんをほったらかしにしてたから…

絶望した父親の顔


思い出すだけで胸が苦しくなる













…華宮さん
思い浮かぶのは華宮さんの涙、涙、涙、涙


______涙。


俺にはそんな現実、耐えられない

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