学校にて____
窓側の席で外の風景を見ていたら
急にクラスメイトが話しかけてきた
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たびたびこういうことがよくある
私は恭大の幼なじみだってことは間違いないけど
私、ただただ利用されてるだけなんじゃ…
きっと、恭大も困ってるよね……
そう言って恭大はカバンからペンを出し
スラスラとサインを書いた
もしこれであの子に渡したら
次々にファンとか理由を言い連ねて
私のもとに来る人が多くなると思う
それによって恭大を困らせること、
迷惑をかけることが
私にとってとても嫌で仕方がなかった
……え?
よっぽど恭大のほうが大人びていた
私は自分のことしか考えていなかったのかも
しれない
『応援される』
それがどれだけ幸せなものなのか
それがどれだけすごいことなのか
私は改めて感じた
恭大がこんなに注目されて
私は少し嫉妬してたのかもしれない。
恭大はかっこいいだけが自慢じゃない
野球ができることだけが自慢じゃない
優しくて応援してくれる人への感謝を忘れない
そんな考えかたの幼なじみをもてたことが
私にとっての〝 自慢 〟です
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!