LINEでええかなあ
それとも直接会って言おうかなあ
部活が終わって校門目指して歩いてる最中
ぐるぐる頭の中で考えていた
うーーんと腕を組みながら悩んでいると
なにやら目の前から黄色い歓声が
沢山の女子に囲まれながら
こちらに近づいてくる人物
それは
恭大、でした
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
はああ……
恭大が迎えに来てくれるのはいいけど
周りの女子の視線が痛すぎる&怖いすぎて
いつまで経ってもこの状況に慣れない
さっき恭大に言うこと決意したのに
今が言うチャンスなのに
中々口が開かない
そう思っていると恭大から
名前を呼ばれた
じっと恭大見つめられている
薄暗い空の下
冷たい冬の風
さっきまでいた周りの女子はもういない
私と恭大、ふたりきりの静かな路上
私は口を開いた
今が言うチャンス____
ここで言わないとだめなんや……!
しーーーん
と再び静まり返る路上
恭大はうつむいている
急に恭大は顔を上げた
ニカッと笑って
私に背を向けて寒い冬の道を歩き始めた
これでよかったのかな……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!