はい、こんにちはー!
マリア・レティシス。十歳です☆
執事のフェルエスと義弟のウィルが来てから一年、特に乙女ゲームの重要キャラに出会う事もなく、平和に過ごしてきました!
それでね、今日はお茶会があるんですよー
王子の婚約者を決める、ねぇ。
嫌だあぁぁぁぁぁあ!
いや、ゲーム開始時にマリアと王子のジルアールは婚約者だったわけで!
フラグに近づく訳ですよ!
………うん、こりゃ大人しくしとくしかないな。
と、ご令嬢達が集まる会場で他のご令嬢とは違う意気込みをしている私ですが。
壇上に王子様が居るわけで。
よし。抜け出そう。
てなわけで、抜け出してきました~
………ここどこ?
ちゃんと回り見てから来るんだった………
突然現れた王子に目を白黒させていたら……
思いがけない事を言われた。
周りを見回すと、泣いている少女がいた。
吹き出した声が聞こえて振り向くと、腹を抱えて大爆笑する王子が居た。
あ………王子のことほったらかしにしてた!?
ヤバイ!?これって王子に無礼を働いたってことで罪にならないよね?
王子はひとしきり笑ったあと、半笑いのままこう言った。
詰んだ………これ悪役云々の前に不敬罪で捕まる系?
それとも、面白くて気に入った的なことで婚約者決定、とか?
どちらにしろ詰んだ☆
………いや、冷静な王子の事だ。うん。……私に見向きもしていないだろう……………うん……
お願いしますそうであって下さい
____詰んだね。………………詰んだね!
ゲームに一歩近づいたね!
………悪役とかマジ無理です!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願い致します!m(__)m
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!