第6話

町で……
1,350
2020/01/19 12:47
住民
あの方、公爵家の……
住民
我儘で傲慢らしいわよ……
住民
噂なんてしてたら罰せられるぞ………!
うん、こりゃ………
マリア・レティシス
マリア・レティシス
私、相当嫌われものね………
ボソッと呟く。
よし………私の決意表明をしておこう……!
マリア・レティシス
マリア・レティシス
皆さん、聞いてください。
今まで噂をしていた住民達の肩がビクッと跳ね上がった。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
私、今までの言動に恥を知りましたの。それで、心を入れ換えて、貴族として、住民の皆さんを守っていこうと思います。
住民の皆さんは、目をパチパチと瞬かせ、ポカンとしている。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
では…………
私は、居たたまれなくてその場から逃げ出した。しかし、しばらく走った後に……
スカー
スカー
た、たす、助けて………
という声が聞こえた。
ぐるりと周囲を見回すと、地面に倒れてこちらに手を伸ばしている少年が居た。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
だ、……大丈夫っ!?
スカー
スカー
暑い………
マリア・レティシス
マリア・レティシス
暑い………?
この世界では、あまり医療が発展してないので、薬を買うお金がなく、風邪を拗らせて……タヒんでしまう事も少なくはないそうだ。最近は、『熱病』という病気が流行っていて、すぐに体を冷やさないとタヒんでしまう………という病気らしい。この少年は、恐らくその『熱病』にかかっているのだろう。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
ま、待ってて!
私は、魔法で氷を作り、服の裾をビリッと破き、氷の器に入れた水に浸した。
ちなみに、魔法は記憶を取り戻してから習得した。
そして、水に浸した服の裾だった布を少年のおでこにあてる。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
どう?ちょっとは涼しくなった?
スカー
スカー
う……ん……
マリア・レティシス
マリア・レティシス
良かった……『熱病』の看病の仕方って……体を冷やす、んだっけ……
氷魔法を駆使し、辺りを冷やす。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
さぶっ………どう?涼しい?
さっきまで辛そうに歪んでいた少年の顔は、いつの間にか穏やかな寝顔に変わっていた。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
良かった……
氷魔法を解き、少年を持ち上げる。
これでも、もしもの時のため……まあ、主にタヒ亡フラグとかのために鍛えてるから、ほっそい少年を運ぶ位は楽なもんですよ。
スカーのお母さん
スカー!スカー!?
マリア・レティシス
マリア・レティシス
スカーって、この子の事ですか?
スカーのお母さん
スカー!
マリア・レティシス
マリア・レティシス
寝てるだけです。『熱病』にかかっていたので……看病しました。
スカーのお母さん
あ、ありがとうございました……!!もう、どうしたらいいかと……!!
マリア・レティシス
マリア・レティシス
この子………スカーっていうんですか?
スカーのお母さん
はい………この子、火の魔法使えるんです。だから、魔法学校に入る予定なんです。あなたも入るんですか?
マリア・レティシス
マリア・レティシス
ええ。
スカーのお母さん
もし、また会ったら、友達になってあげてくれませんか?
マリア・レティシス
マリア・レティシス
勿論です!
スカーのお母さん
ありがとうございます!
マリア・レティシス
マリア・レティシス
では、私はこれで………
………そして、家に帰り、皆にこっぴどく叱られたのは言うまでもない………
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