第15話

私は。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
ごめん、ただいま!
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
おかえり。
ミーナ
ミーナ
けっかはっぴょー!
いやなんか………ゲーム風?
マリア・レティシス
マリア・レティシス
えーと、両方転生者、しかも前世の幼馴染でした………
全員(マリア・ミーナ除く)
ええ………?(困惑)
うん。………まあ。そりゃそうなるよね。
スカー
スカー
………確率が…………
ジルアール・クライト
ジルアール・クライト
うん………もう………
フェルエス・アリア
フェルエス・アリア
なんか……ねえ?
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
……まあ……えっと。
エリザベス・フライト
エリザベス・フライト
す、すごいですね………
マイラ・ヒューラー
マイラ・ヒューラー
みんな驚きのあまり語彙力低下してますよ……?
いやー、まあ、驚かない方がおかしいしね……
こっちも驚いてるし。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
うん。………まあ、帰ろっか。
ミーナ
ミーナ
うん。
──
レティシス邸にて。
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
姉さん。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
なに?あ、家では呼び方そのままなんだ。
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
うん。……ねえ、前世での話、聞かせてよ。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
うん。いいよ。どこから話そうかなあ。まず、私の名前は………
───名前は?
あれ。どうしたのかな。
私の──名前。
他のことははっきり覚えているのに、私の名前だけ、思い出せない。
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
……姉さん?
マリア・レティシス
マリア・レティシス
あ………ごめん。
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
ううん。今日は疲れてるんじゃない?話は、また今度で良いや。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
うん……ごめんね。
私は部屋に戻って、服を着替えて、ベッドに入った。
この違和感も、明日起きたときには消えているだろう。
自分の名前も。多分思い出せる。
私は、モヤモヤとした気持ちを抱えながら眠りについた。
─────
明るい光で目が覚める。
エリー
エリー
ま、マリア様………おはようございます……
フェルエス・アリア
フェルエス・アリア
………おはよう、ございます。
うん、おはよう。と、答えようとしたら、口が勝手に動いた。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
誰がメイドと執事ごときが私に挨拶してよろしいと言ったの?
エリー
エリー
もっ………申し訳ありません!
フェルエス・アリア
フェルエス・アリア
……申し訳ございません。
え?なんで?私は、こんなこと言いたくないのに。
自分の意思とは反して、身体が勝手に動いて、部屋から出る。
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
ね、義姉様………お、おはよう、ございます………
マリア・レティシス
マリア・レティシス
貴方に姉と呼ばれる筋合いは無いわ。さっさと出ていけばよろしいのに。
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
ご、ごめんなさい……
怖がったような目。そりゃそうよ。こんなことを言われれば誰だって怖いわ。
瞬きをした次の瞬間、学園にいた。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
あら!ジルアール様!おはようございます!今日もお美しいですわね!
ピンクの髪の少女………ミーナのことを押し退けて、ジルアールの横に並んだ。
何故?そもそも、皆は私がこんなことをしていることを、おかしく思わないのだろうか。
ジルアール・クライト
ジルアール・クライト
レティシス嬢……………ミーナが怪我したらどうするんだ!
マリア・レティシス
マリア・レティシス
ミーナ?ああ、そこにいる品の無い平民のことですの?平民なんて、しょっちゅう野蛮なことをして、怪我をしているのでしょう?今さら掠り傷の1つや2つ、無いようなものでしょう。
スカー
スカー
おいっ、お前、ミーナになんてこと言うんだよっ………!
マリア・レティシス
マリア・レティシス
あら?平民風情が私に口答えして良いと思っていて?
スカー
スカー
………っ………
スカーは、その整った顔を歪める。
そこでまた、場面が切り替わった。
豪華なシャンデリアあって、大勢の人がいる場所にいた。
ジルアール・クライト
ジルアール・クライト
マリア・レティシス嬢。貴女との婚約を──破棄する。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
っどうして!?婚約破棄なんて………っ
スカー
スカー
お前、ミーナをいじめてたんだろっ!?ウィルやフェルエスのこともっ……!
ウィル・レティシス
ウィル・レティシス
義姉様。諦めなよ。
フェルエス・アリア
フェルエス・アリア
貴女に仕える価値など、ありません。今まで、貴女を散々見てきましたが……………貴方に仕えたいなんて思ったことなど、一度もなかった。
マリア・レティシス
マリア・レティシス
どうして、どうして、どうして…………っ
なに、これ…………
これじゃ、まるで、私が…………っ
悪役令嬢みたいじゃない。
………そうよ。私は、悪役令嬢なんだ。ヒロインの邪魔をして、婚約破棄されて投獄、国外追放、死亡。
それが……の……正しい道なんだ。
私は…………
『姉さんっ!』
『マリア様っ!』
………誰?
『大丈夫ですかっ!?』
ああ。………そうよ。私は、こんなことをしたいんじゃない。
私は、みんなと………一緒にいたい。
それだけで、いいや。
『悪役』なんて、ならない。
私は………絶対に。
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はい、どーも!珍しくシリアス回でしたね!
最近のスランプを挽回するために、ちょっと長目に書きました………
では、ありがとうございました!