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第1話

その愛は燃え尽きたのか
「でも、俺はお前が思ってるより好き。」

その言葉を耳に聞き入れた時の胸の高鳴りを超えるものはもう二度とないと思っていた。今でもその優しく微笑む姿が私の記憶に染み付いて離れない。

もう、あなたちゃん!起きないと流石のふっかさんでも怒りますよー。そんな大きすぎる声に思わず耳を塞ぎたくなったが、もう目を覚ましてしまったので閉じることの出来ない。そうして先程ボリュームも考えれない様な声で私を眠りから解放した男と目が合う。目が合うと彼は素直に微笑み、じゃあ俺先にご飯作ってるから。とか言って私の部屋の戸をサッと閉めた。

「料理、作れない癖に。」思わず感情が声に出ていた事に自分でびっくりしてしまう。その声に気づいたのかなんだよ俺だって作れますよ〜とか言う声が聞こえる。嘘つけ、作れない癖に。

そんなよく分からない人と私は同棲してるし付き合っている。付き合っているのは私が元彼に捨てられたところを拾われたてその優しさに私が甘えてるって感じ。心の底から好きか、と言われたら迷うがきっと私は彼のことが好きだ。ノリで同棲してしまうぐらいなのだから、きっと。

髪の毛を整え布団を畳むと彼から呼ばれる。ハイハイ、呼ばれなくても行きますよ〜、とか思ってるとハイは1回!と注意される。全く。私はアンタの大好きな後輩ラウールじゃないんだから……と思ってると心を読まれてる、?とまた1人びっくりした。そんな日々が同棲し始めた日、凡そ半年前からずっと続いている。もうこの生活にもこの感情にも腐るほど慣れた。だから今更何言われたって自分の心には響かないものだった。



すると呼ばれた事に改めて気づき、急いでリビングにかけて行く。こういう時行かないと、表面には出さないが彼の瞳が完璧に曇っている事を知っている。それを知っているからこそそんな感情にはさせたくなくて枕を放って置いて来てしまった。そうして此方に気がついた彼は私を見て微笑むなり、ここに座ってと椅子を指差す。こういう所は、愛くるしいものだ。

「お待たせ〜ふっかさん特性のモーニングセットだよ〜。冷めるから早く食べてね〜。」
「これってパンを焼いただけじゃ…」そう言ってしまえば此方を軽く睨まれる。睨むと言ってもほんの少し眉毛を下げているだけだが。でも不器用な彼なりに私の事を思って焼いてくれたのだろう。そう思うとオーブンだろうがどうでも良くなった。急いでパンに手を付けまた自分の部屋に戻った。

自分の部屋に戻り携帯端末に目を向ける。気づけばインスタと名乗るアプリが1つ通知を鳴らしていた事に目が向いた。まぁどうせ友達の更新だと呆れつつも見ようと思ったらそこにはいつもと違う人のアイコンが見えた。

_____渡辺翔太。私の大好きだった、いや、今も大好きなのか?と思える人。最後に大きな喧嘩をしてそのまま別れた。そんな所を今彼、深澤辰哉に拾われたところ。彼は滅多にインスタ等を更新しなかった。更新や否やアプリさえ開かなかった。もしこれが新しい彼女との…と思ったら血が引いていくのを感じる。それと同時に深澤に申し訳ない気持ちになる。焦りながらも、渡辺のアイコンを開いてストーリーを覗いてみることにした。


「 の事が忘れられない。」

そんなポエムの様な言葉を嘆く彼に、少し胸の高鳴りを覚えた。生憎名前のところは見えない様に設定されているがもしかしたら自分なのでは?と甘い期待を持つ。でもまたそれと反対に深澤への気持ちも爆発していく。拾って貰ったのに、あんなに好きだと言ってくれたのにまだ私は渡辺の事が忘れられなくて、好きで、彼に私のことが好きなことを望んで。自分で自分を殺したくなる域に達している。
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「、っふっか、!」

と後輩の岩本照から通話が来た。折角ワンコールで出たのに第一声がこれだと俺が何をした。って話になる。

「照、急に電話なんてどうしたの。照そういうタイプじゃなかったじゃん。」
そう俺が一声かける。自分で言っといてなんだけど凄い格好良いなと自分に自惚れる。誰も己の事を褒めてくれないのだから自分ぐらい褒めたって良いだろう。キモがられるのより自分を愛す方が大切だしね。

「え、ふっか知らないの。翔太だよ、翔太のストーリー見て。インスタの。」

翔太?自分の中で幾つもの疑問が上がる。翔太はインスタはほぼ使っていないはず。なのに更新なんて照が電話をかけてくるほど大層な事があったのか。だがそんな他人事をしていられるのも今の内だった。

「何、これ、どういうこと…?」
思ってもなかったことに素で声が出てしまう。やっとの思い出た声は少し震えてて聞く人によっては涙を流しているのかと心配されるレベルだった。

「ふっか…。」

思ってもなかった展開に思わず泣きそうになってしまう。俺が何年もかけて手に入れた彼女が、また奪われそうになるなんて。もう絶対ないと思ってた。あんな別れ方したんじゃ。なのに、なのに…また俺は翔太に……だから励ましにでも岩本が電話を寄越してきたのか。全く良い人過ぎるなとでも思った。すると少しブルーになりガラス越しで外でも見上げるが通話中なのを思い出し大丈夫だよとだけ伝え切る。電話では落ち着きを装った(つもり)だが予想外の展開に動揺しかない。あれを大好きなあなたちゃんは見たのだろうか。見たとしたら、彼女は特別鈍感でもないし寧ろ感づき易いタイプだった。鳥肌が止まらなくなりそれを誤魔化す為に俺は貯めていた皿洗いでも始めた。