第2話

好きだからこそ、わたし、知ってるんです
93
2019/08/30 07:12


先輩の最後の大会の日になってしまった。

サラ
「エミ道具運ぶよ〜!」
エミ
「はい!」


マネの先輩、サラ先輩。

エミ
「先輩とマネの仕事できるのも最後ですね」
サラ
「エミ、入ってくれてありがとね」
エミ
「こちらこそ、仲間に入れてくださってありがとうございます」
サラ
「海斗と話せるようになった?」
エミ
「全然ダメです、、、うまく伝えられないです、、、」



サラ先輩には気持ちがバレてた。


サラ
「今日が最後だよ?
部活終わったらなかなか会えないんだから!」



そうだよね、


カイト先輩に会う条件がなくなるんだよね。

部長
「円陣組むよ〜!」


部長の言葉で陸部みんなが集まった。


部長
「3年は最後の大会、悔いの残らないように!」
全員
「オウッ!!!」


部員全員で円陣を組んだ。


部長
「カイト、会わなくていいのか?」
カイト
「わりぃ、ちょっと行ってくる」




私が先輩に伝えられない理由は他にもある。


カイト先輩を目で追いかけた先にはいつも同じ人がいる。


カイト
「サクラ、来てくれてありがとう。」
サクラ
「ううん、頑張ってね。」



私は知ってますよ、先輩はサクラさんを見た後笑顔になるって。


サラ
「カイト、付き合わないの?サクラちゃんと。」
カイト
「付き合わないよ、サクラ好きじゃないよ。俺のこと」






でも先輩はサクラさんのこと好きですよね?






サラ
「あんだけカイトに尽くしてもらっててサクラちゃん、よくあんたに落ちないわねー」
カイト
「サラちゃんは五月蝿いよ〜 
サクラは幼馴染だっての。」



でも知ってるよ。
先輩がサクラさん以外は呼び捨てしないってこと。







カイト先輩のレースはやっぱり誰よりも速かった。


カイト
「エミちゃん、1位だったよ!いちばん!」
エミ
「おつかれさまでした、すごかったです!」
サラ
「相変わらず速いね。」
カイト
「んまあ、1番取れなきゃ俺は走ってる意味ないから。」




先輩はいつも1番にこだわる。



その理由も知ってるよ。






サクラさんが喜ぶからって前に教えてくれましたよね。



プリ小説オーディオドラマ