第9話

私、やっぱり先輩のことが大好きです。
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2019/10/13 07:33
カイト
「エミちゃん…、ありがとう!」




ほら、先輩は困ってる。



でもわたしは「困りましたか?」なんて言葉は言いませんよ。




カイト
「エミちゃん、本当にありがとう…
好きって言ってくれて、俺のこと好きになってくれて…
でもね、、、」
エミ
「カイト先輩、そのあとの言葉は要らないです。
わかってますから、ちゃんと、わかってます。

後悔したくなかったから。
もう先輩には会えないかもしれないから。

だから伝えたかっただけです…」
カイト
「そっか、ありがとうねエミちゃん。
会えないなんて言わないでよ、寂しいじゃん…」
エミ
「ほら、先輩は寂しが…」



我慢していたはずの涙が頬を流れた。



どんどん頬は涙で染まっていく。




カイト
「エミちゃん、俺ほんとに寂しがり屋みたい。
泣かないでよ、エミちゃん、笑って…!!」




耳元で優しい声がした。



エミ
「先輩…?」



気づけば先輩に抱きしめられていた。




カイト
「エミちゃん、泣き止んでよ。
また会えるから、絶対に会おう。」




そういって、私から離れた先輩。



エミ
「先輩、私、また先輩に会えるように頑張ります。
迷惑かもしれないですけど私は先輩を追いかけます!
だから来年、絶対に、先輩の高校に受かります!」
カイト
「迷惑じゃないよ、ありがとう、エミちゃん。
待ってるよ。サラちゃんと待ってるから頑張ってね!」
エミ
「はい!追いつけるように頑張ります!」
エミ
「先輩、」
カイト
「ん?」
エミ
「ご卒業、おめでとうございますっ!」




その言葉に先輩は優しく微笑んで私の髪を撫でてくれた。



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