名前を呼ぶとジュンオッパはゆっくりと振り返った。
悲しげな微笑みを浮かべたジュンオッパに申し訳なくなる。
ジュンオッパはきっと知ってしまったんだ。
ソヨンちゃんの目的を。
ジュンオッパは微笑むと私をギュッと抱きしめた。
不思議とドキドキはしなくってなんだか暖かかった。
親友とハグした時のような優しさがそこにはあった。
きっと、ジュンオッパの優しさがこの時現れてたんだとおもう。
…最初はこんなに仲良くなるつもりなんてなかったのに。
また刺されるんじゃないかって1人で怯えて
冷たくして突き放して…
メンバーにどう思われたっていいや、って思ってたのに。
今は、みんなに嫌われたくない。
みんなと離れたくない。
こんな風に思う日が来るなんて
思ってもなかった。
…ほんとに、思いもしなかったな。
復讐よりも、大事にしたいことができるなんて。
ずっと復讐のために生きていくんだって思ってたのに。
…良かった、SEVENTEENに出会えて。
…ごめんね、ジュンオッパ
ごめんね、みんな
いままで優しくしてくれてありがとう。
私はもう、みんなに迷惑かけたくないから。
だから…
さよなら。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。