第26話

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2020/11/20 14:00




暗い、ここはどこなの?

誰かいないの?

これは、昔の記憶?

これは一体…


「お、母さん?」

「お、とうさん?」

「えっ、なんで?」

「あぁ、こいつらの子供か」

「ちょうどいい、来い」

「えっ、誰?

お母さん達は…」

「隼人兄さん?」

「お前は、俺の………」

「何言ってるの?

隼人兄さん助け…!!」

トン

「雑に扱わないで貰えますか?」

「ふっ、生意気なガキが」

「大事なものなんでね」

「せいぜい死なねぇようにしろよ」

「ふっ、」








「ここは?」

「起きたか」

「誰なの?」

「ボス、そう呼べ」

「え、」

「わかったな?」

「はい…」

怖かった、寂しかった

翼兄さん達は?

どこにいるの?




ガタン

「誰?」

「チッ」

「綺麗な髪」

「はぁ?」

「羨ましいな…」

「ククッ、お前面白いな」

「お名前は?」

「俺は、黒澤陣だ」

「そっか、私は一花だよ」

「よろしくね、くろくん」

「くろくん?はっ、勝手にしろ」



そういえばこんな出会いだったな…


くろくんとの出会いは

懐かしいな

あの方、烏丸蓮耶は、私を拾った

いや、拾ったと言うより、誘拐した





何日か経って公安の人が保護してくれた

もちろんその場の判断で、偽名を名乗ったと

も説明した。

納得してくれた

保護したあとも、組織にはずっと居た

だから、くろくんが、ネームドになる時も居

合わせた。

あの時は驚いたな

そして、私も貰ったんだっけ?

でも、変装せざる負えなかったから

ボスしか、私が、いや、カミカゼと一花が、

同一人物だということを知らない

皆、カミカゼと一花は別人だと思ってる。

ボスは、あえて言っていないのであろう。

だから、くろくん、、ジンですら知らないの

だ、、、


公安では、協力者になって色々大変だったな


でも、楽しかったなぁ



翼兄さんにあった時は泣かれて心配されたっ

け?

嬉しかったな

隼人兄さんはどうしたんだろう?

当時はそんなことを思ったな

まさか、あんなことになってるなんて

知らなかった

平和なんて訪れるのかな?

私は、平和を望んでいいの?




私は殺しをしない

組織に役立っているのは唯一情報を渡すだけ



ハッカーというわけだ

これは、あっているのか?

こんなことやっていいのだろうか?



お母さん、お父さん

また、皆で仲良く暮らしたいよ……


また、出かけたいし、

遊びたいよ

あのね、私、料理できるようになったんだよ

勉強もできるんだよ

運動神経もいいらしいんだよ

こんなもん望んでなかったよ

完璧なんていらない

だから、また、一緒に馬鹿やって笑って

賑やかに暮らしたい

そんな願いをしてもいいのかな?



私は悪い子だよね…

助けられなかった。

偽善者だよ。

どうすれば良かったのかな?

何が正解なのかな?


教えてよ




私、寂しいよ

悲しいよ

苦しい、疲れたよ


幸せって何が正解なの?







分からないから教えてよ

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