今は剣道の修行中だ。あの配信からまたも一週間が経った。
配信がおわり、父さんから道場に来いといわれ、来ている
そう言って僕と父さんは木刀を構える
私…フランは自分にのしかかる強烈な胸の痛みを堪えながら翼のいる道場に向かっている
この感じ昔から知っていて、嫌いな奴…能力の暴走。今まではそんなことはなかったのに…
道場の前までついて中に入ったところで私の記憶は途切れた
ドンドンドンと足音がしたので振り返る
血が出ている
ものすごいスピードで襲いかかってくるフランを咄嗟に木刀で弾く
こんどは父さんだ
一条家の流派はこう言うのに特化した流派だ
遊ぶ気にはなれないな
爆発的加速でまたも懐を取られるもそれをいい感じに流す
横薙がフランの脇腹に当たったようだ
爪を立てて襲いかかってくるフランをなんとか木刀でながす僕だが、これで精一杯だ
フランの攻撃力、速さ、正確さは桁外れだ。それは肌で感じた。
右手の右上からの振り下ろし、左ての左上の振り下ろしを全てあしらって反撃のチャンスをまつ
余裕そうに見せるが相当弾くだけで精一杯だ
蹴りや引っ掻き、謎の棒で攻撃してくるので、避ける手数はそちらの方が多い。流石に全部を受け流すことはできないのでジリジリと傷が増えていく
相打ち…を狙うか
引きつけろ。限界まで
フランが放つ引っ掻き攻撃をギリギリまで引きつけ、反撃にでる。これがラストチャンスだと思う。これを外したら次はない
フランの右手の引っ掻きは左肩から脇腹を抉るも僕はとまらない
引き付けて避けたことで中心は外しているのだ
想像の絶するような痛みが走るが僕は強引に前に出る。
木刀を振りかぶりフランの首筋に向けて振り下ろす
これにはフランもビックリしたようで体勢が崩れている
振り終わりの隙を狙っていたので、フランはなすすべなく僕が振り下ろした木刀に当たって気を失った
そう言った僕の右腕を担ぐと歩き始める
その一言を取り出し、僕は父さんにこう言った
なんとか絞り出して答えた
そのままフランは泣きながら僕の身体を抱き寄せた
父さんも観念したらしい
そう言って僕は立ち上がり、傷口を少し手で押さえながら救急車に乗った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。