第14話

行方
186
2018/12/29 12:44
城崎 優
城崎 優
本当に、ごめん。
優は悲しそうに、悔しそうに、そう言った。

優にとって夏々は、あまり話していなくても
大切な幼馴染み同然。

そんなの、悲しいし、悔しいに決まってる。
私
大丈夫!きっと、助けるから!
私はそう言って笑ってみせる。
城崎 優
城崎 優
そうか...
優はほっとしたような顔をする。
黒沢 日向
黒沢 日向
お!優じゃん!どーしたの?
私
急に現れた...
黒沢 日陰
黒沢 日陰
凄く深刻な顔してるね。
私
...
私
夏々が死神にさらわれた。
黒沢 日向
黒沢 日向
えっ⁉
黒沢 日陰
黒沢 日陰
...
黒沢 日陰
黒沢 日陰
どこに言ったか分かる?
城崎 優
城崎 優
ごめん。分からない。
黒沢 日陰
黒沢 日陰
そうか...
黒沢 日向
黒沢 日向
早く見つけねぇと!









バタッ







優が突然倒れた。
私
優⁉
倒れた優を日向が抱き抱える。

そして、その瞬間、日向が青ざめる。
黒沢 日向
黒沢 日向
おい...その怪我...
私
怪我?
私は、日向の目線の先を見た。




















そこには、大量の血が流れていた。


















優が、腕に大怪我を負っていた。
私
その怪我、まさか...
黒沢 日向
黒沢 日向
死神に...
城崎 優
城崎 優
はは。悪い。
城崎 優
城崎 優
少し、しくじった。
優はそう言って、薄く笑う。
私
早く救急車を!
私がそう言って、立ち上がろうとした。

けれど優は、怪我をしていない片方の手で
私の腕を掴んだ。
私
優...?
城崎 優
城崎 優
夏々を探しに行くんだろ?
城崎 優
城崎 優
だったら、俺も行く。
私
でも、その怪我じゃ...
黒沢 日陰
黒沢 日陰
分かった。
えっ?
私
ひ、日陰?
黒沢 日陰
黒沢 日陰
今は、応急処置だけするよ。
日陰はそう言って救急箱を持ってきた。
私
どうして...
黒沢 日陰
黒沢 日陰
駄目だって言って、この優が
諦めると思う?
私
...
きっと、諦めない。

さっきまで、あんなに悔しがっていたのに

諦めるわけがない。
城崎 優
城崎 優
日陰、俺よりも
俺に詳しいんじゃない?
黒沢 日陰
黒沢 日陰
さぁ。どうかな?
日陰はそう言って少し笑う。
黒沢 日陰
黒沢 日陰
ほら、出来た。
黒沢 日向
黒沢 日向
応急処置早っ!
黒沢 日陰
黒沢 日陰
こういうのは馴れてるからね。
どこに馴れる要素があるんですか...?
黒沢 日陰
黒沢 日陰
さて。後は死神の居場所か...
私
検討ついてるの?
黒沢 日陰
黒沢 日陰
ああ。
凄い...
黒沢 日向
黒沢 日向
どこだ?
黒沢 日陰
黒沢 日陰
冥界。




















え...?
黒沢 日陰
黒沢 日陰
死神がいるとしたらそこしかない。
城崎 優
城崎 優
俺行けるのか?
黒沢 日陰
黒沢 日陰
ああ。
私
でも...
私
生身の人間がいられる時間は
1時間だけ...
私
それを過ぎたら、人間は...
死んでしまう。
城崎 優
城崎 優
じゃあ、後少しで夏々が...!
黒沢 日向
黒沢 日向
早く行かねぇとヤバいぞ!
黒沢 日陰
黒沢 日陰
準備して!
私
う、うん...






















大丈夫。大丈夫。夏々は助かる。



そう、自分自身に言い聞かせる。




















お願い...


















夏々...



















無事でいて...

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