第20話

涙のない世界
193
2019/02/06 15:12
...だからね。





















私は...



















私
...縁を、切ろう。
小林 夏々
小林 夏々
え...
私
夏々が、私といたら
今回みたいな危ないめに逢っちゃう。
私
...そんなの、やだ。
小林 夏々
小林 夏々
じゃあ、麻白が守って?
え...?
小林 夏々
小林 夏々
私は、麻白と縁を切るなんて
絶対にしたくない。
小林 夏々
小林 夏々
元通りになるまで、麻白を追いかける
からね?
夏々はそう言って「にしし」と笑う。
私
そ、それは困るなぁ...
小林 夏々
小林 夏々
でしょ?だから...
小林 夏々
小林 夏々
ずっと、ずっと、一緒にいよう。
小林 夏々
小林 夏々
だって、“親友”だから。
小林 夏々
小林 夏々
ね?
“親友”

...素敵な響きだった。


私は、夏々の親友で良いんですか?

私は、夏々の隣にいて良いんですか?
小林 夏々
小林 夏々
あっ、親友じゃなくて...
小林 夏々
小林 夏々
“大”親友かな...?
夏々はそう言ってまた、「にしし」と笑う。























夏々は、本当に凄いや。























一瞬で人の心を優しい光で照らしちゃうんだから。





















私は笑った。
私
うん。夏々。























─────────────────────────────────





















夕日が、二人の少女を照らす。





一人の少女は、いつも優しくて真っ直ぐな人間。


一人の少女は、いつも前向きで笑っている死神。






死神は人間に話した。



『涙のない世界があったらいいのに。』



人間は答えた。




『私は、いらないと思う。』




『何で...?』




『だって、嬉し涙とかがなくなっちゃうでしょ?』




『それに、悲しい時、苦しい時、泣いたらすっきり
するでしょ?』





『だからね。涙は必要だと思うんだ。』





死神は思った。


「私も、泣いたらすっきりした」と。





『やっぱり、君は凄いや。』































『夏々。』







─ The end ─

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