背中に激痛が走る。
私は、地面に吸い込まれるかのように倒れた。
ベチャッ
普通なら倒れると「ドサッ」という音がする。
けど、今は「ベチャッ」だった。
どうやら、酷い出血らしい。
ねぇ、麻白...
何で、泣いてるの...?
何で、私の名前を呼ぶの...?
ほら、死神をやっつけなきゃ。
麻白はそう言って、私の背中にハンカチを当て
必死で止血をする。
あ..れ...?
口から血が出てる...
私、死ぬのかなぁ...
あ...
周りが歪んでる...
そして、私は意識を手放した。
う..そ...
夏々が...
私は、夏々を抱き抱え、声を押し殺して泣いた。
うるさい。
黙れ。
辺りに、黒い霧が舞う。
死神は、地面に吸い込まれるかのように倒れた。
私が、殺した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。