<南side>
ただいま絶賛金魚すくい中
いつもならもっととれるんだけど…
浴衣やりにくい!!!(そのままでも十分すごいよ…)
チラチラと目配せをするリサちゃん。
いや、何…?
私は目をパチクリさせた。
…どうしよう、嬉しい。
ちょっと恥ずかしくなって下を向きながらお礼を言う。
ニッコリと笑いながら私はお礼を言う。
やっぱり、誉められるのは嬉しいな…
リサちゃん、なんか察したような顔してるけど何を察したの?
私はその言葉にピクッと反応すると、そっちのほうに振り返った。
女の子のバックを奪った奴がこっちに向かってくる。
私は避けようとする引ったくりにタックルを沈めた。
ひったくりは呻き声をあげて倒れる。
その隙に私は倒れたひったくりの上に乗った。
そういうと私は少し人がいないところにいって持参のペットボトルを口のなかに流し込んだ。
ころんはうつむきながらそう呟くと顔を上げて怒鳴った。
ころんは悔しそうに黙った。
私が言うところんは驚いた顔をした。
私はそういうと走っていった。
どこに向かっているのか分からないけど。
ここからはなれたくて走った。
これは、私も悪いことも分かっていた。
ただ、こんなに言われるのは違うと思った。
私が謝ればすむ話なのに謝らないのは駄目だと思う。
だけど…
涙がこぼれた。
もう会えない人。
思い出したくなんかなかった。
私はひとしきり泣いた。
悔しかった。申し訳なかった。
いろんな感情が流れた。
それで、ちょっと正気になったとき
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。