皆さん。
尾田南は、料理が苦手です。
謝って果帆ちゃんはお鍋に目を戻す。
果帆ちゃんに真顔で言われるとその言葉が心に刺さる。
う…
さとみ、いつもありがとうございます。
私はやけになって二人に話題を振る。
すこし照れながら笑う薫を見ると、とても大事にされていることが分かる。
これは、おしどりカップルと言うやつですな。
果帆ちゃんは遠くを見つめながら、ポツリと、でもはっきりと呟くように
と言った。
そしてその後、
でも…
どれくらい伝わるか、いや、伝えるか、か…
私は心のなかでそれを唱え続けた。
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そして向かえたバレンタインデー当日。
学校はなんとなくふわふわとしていた。
と思って投稿したとたん
…なんで人から貰ったチョコを不用意に渡すわけ?
こんなん、嬉しいわけないじゃん…
ちょっとは、私の気持ちとか察してよ…
…ヤキモチ妬いちゃうよ。
ああもう、自分にもころんにも腹が立ってくるよ…
なにも知らずに、話しかけてきて
君のせいで私の心はズタボロですよ。
あーもう。
私何してるんだろ。
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教室に入って林達に配ると、とてもストレスがたまりそうになる。
こうやって苦労したものを喜んで貰えると嬉しいな____
ニヤッと笑った皆野くんに私は少し恨みのこもった視線を送り続けた。
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そして結局、帰りになってしまい…
あーダメだ。
完璧噛んだ。
もう、君には敵わないのでしょうか。
ほんと、私にばっかり恥ずかしい思いさせて
私はそういうと、チョコが入ったバックを出した。
本命って言え!言うんだ南!
りり、りいぬ!?
私はどこかに走っていった。
ああ、もう。
私、逃げてばっかりじゃん…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。