<南side>
その日の帰り道。
私は、あの時ころんがとても悲しそうな顔をしていたのが気になった。(44話の最後辺り参照)
ってか……
こう思うと、なんか自分がものすごくチビに見えてくる…(いや実際背は高い方じゃないけどね?)
しかも、これで背が低い方とか
いやいや、ころんはもともと男子だ!
なに改まって思い始めてんだ、私。
うわやばい変な声でた恥ずかしい!
ずっとそれじゃん(笑)
そう言うと、ころんは持ち前の水色のパーカーを私にかぶせた。
そういったころんの顔は真っ赤だった。
そんな照れているころんの顔を見て、
君の表情を、また探したくなった。
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私が笑いながら言うと、ころんは傷ついた顔をした。
気にしていないと言ったら、嘘だった。
でも理由があるなら仕方がない。
諦めもつく。
ころんが話そうとするのを、私は遮った。
私はそういって走った。
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聞きたくなかった。
いじめられるのは、私に非があるからだ。
ころんを謝らせたくもないし、安心もしなくていい。
ただ、迷惑をかけたくないだけなのだ。
もうこれ以上、心配もされたくないし、迷惑もかけたくない。
ころんが悲しそうな顔をした時に、そう強く願ってしまった。
だから、無視されることも分かっていたっちゃあ分かっていた。
なのに____
萌たちにいじめられるよりも。
暴言をはかれることよりも。
少しだけ、少しの時間だけ無視される方が。
なんか涙がでてくるや。
私はその声にはっとした。
ごしごしと目をこすって笑いかけた。
そういってえくぼを指差した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。