第45話

なんか悲しい
128
2020/09/09 13:56
<南side>
その日の帰り道。
私は、あの時ころんがとても悲しそうな顔をしていたのが気になった。(44話の最後辺り参照)
ってか……
尾田 南
尾田 南
(普通にころんの服ブカブカなんですけど)
こう思うと、なんか自分がものすごくチビに見えてくる…(いや実際背は高い方じゃないけどね?)
しかも、これで背が低い方とか
尾田 南
尾田 南
(やっぱ…男子だな)
いやいや、ころんはもともと男子だ!
なに改まって思い始めてんだ、私。
ころん
ころん
…あのさ
尾田 南
尾田 南
は、ひゃい!
うわやばい変な声でた恥ずかしい!
ころん
ころん
あの……無視して、ごめん
尾田 南
尾田 南
あれ?さっきも言わなかった?
ころん
ころん
いやだけど!
ずっとそれじゃん(笑)
尾田 南
尾田 南
へっくしょん!
ころん
ころん
どした?
尾田 南
尾田 南
にゃんか…くしゃみがでる。
噂されてるのかなぁ?
ころん
ころん
んなわけねえだろ
ころん
ころん
これ着とけ
そう言うと、ころんは持ち前の水色のパーカーを私にかぶせた。
尾田 南
尾田 南
!?
ころん
ころん
…寒いだろ
そういったころんの顔は真っ赤だった。
尾田 南
尾田 南
(な、なにその顔……)
ころん
ころん
…あんまみんな
尾田 南
尾田 南
あれ?もしかして照れてる?
かわいいですね~
ころん
ころん
あおんな!
そんな照れているころんの顔を見て、





君の表情を、また探したくなった。
_______________________
ころん
ころん
…あのさ
尾田 南
尾田 南
なに?
ころん
ころん
その……まだいじめ、続いてるの?
尾田 南
尾田 南
あー、うん、そうだねww
私が笑いながら言うと、ころんは傷ついた顔をした。
尾田 南
尾田 南
ころんどしたの?
ころん
ころん
…ごめん、僕のせいで
尾田 南
尾田 南
別にころんのせいじゃ無いでしょ
尾田 南
尾田 南
どしたの?改まって
ころん
ころん
僕無視もしたし、最低なこと言ったし、いじめられたのも…
尾田 南
尾田 南
だから理由があるんでしょ!
私気にしてないから!
気にしていないと言ったら、嘘だった。
でも理由があるなら仕方がない。
諦めもつく。
ころん
ころん
でも……ごめん、学校ではしゃべれない
尾田 南
尾田 南
ころん
ころん
ただ…僕はいつでも話したいから!
何とかするから!だから……
ころんが話そうとするのを、私は遮った。
尾田 南
尾田 南
大丈夫!ころん分かってるから!
私はそういって走った。
_______________________
聞きたくなかった。
いじめられるのは、私に非があるからだ。
ころんを謝らせたくもないし、安心もしなくていい。








ただ、迷惑をかけたくないだけなのだ。
もうこれ以上、心配もされたくないし、迷惑もかけたくない。
ころんが悲しそうな顔をした時に、そう強く願ってしまった。
だから、無視されることも分かっていたっちゃあ分かっていた。
なのに____
尾田 南
尾田 南
(ああ、なんか悲しいや)
萌たちにいじめられるよりも。
暴言をはかれることよりも。










少しだけ、少しの時間だけ無視される方が。
尾田 南
尾田 南
おかしいな…
なんか涙がでてくるや。
莉犬
莉犬
…南ちゃん?
私はその声にはっとした。
ごしごしと目をこすって笑いかけた。
尾田 南
尾田 南
莉犬!
莉犬
莉犬
だ、大丈夫?
尾田 南
尾田 南
平気平気!
尾田 南
尾田 南
ほら、こんなに笑ってるでしょ!
そういってえくぼを指差した。
莉犬
莉犬
___ころちゃんと何かあった?

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