私は、驚いていた。
だって、私が告白しようとしてたのに、
私が告白されたから。
これこそ、度肝を抜かれる、と言うやつなのかもしれない。
もしかしたら、これは嘘コクなんじゃ?
これは、罰ゲームで告白されてるだけでは?
でも、
目の前で、顔を真っ赤にしながら、言ってくるころんからは騙す気なんて
そんなの微塵も感じられなかった。
私の顔を見て、あせるころん。
私は涙と共にそんな言葉が出てきた。
泣きながら、私は精一杯叫んでやった。
私がそう叫ぶと、ころんは顔を真っ赤にした。
ころんは耳を真っ赤にしながら、はっきりと
私が一番ほしい言葉を_____
勢い良くお辞儀して、私の前に手を出すころん。
私はそんな改まったころんの姿がおかしくて、
少し笑いながら、かれの手をとった。
_______________________
段差に気づかずに私は転びそうになる。
しかし、その体はふわっと抱き抱えられた。
いつものように言い合うが、可笑しくなって二人で吹いてしまう。
そして、また手を繋ぎ直して駅前へと向かった。
ねえころん。
君に出会えて、本当に良かった_____
青から、オレンジ色に変わる空の下、私は思いっきり息を吸った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!