第70話

君に出会えて本当に良かった
105
2020/11/09 11:27
私は、驚いていた。




だって、私が告白しようとしてたのに、




私が告白されたから。




これこそ、度肝を抜かれる、と言うやつなのかもしれない。




もしかしたら、これは嘘コクなんじゃ?




これは、罰ゲームで告白されてるだけでは?




でも、




目の前で、顔を真っ赤にしながら、言ってくるころんからは騙す気なんて




そんなの微塵も感じられなかった。



ころん
ころん
…南?
尾田南
尾田南
こ、ころ…
ころん
ころん
な、泣いてる!?




私の顔を見て、あせるころん。



ころん
ころん
ちょ、僕なんかした?え?だ、大丈夫?
尾田南
尾田南
…ばかぁ




私は涙と共にそんな言葉が出てきた。



ころん
ころん
は?
尾田南
尾田南
そんくらっ、い、察しなさい、よ、、
ころん
ころん
な、泣くほど迷惑だった、とか…?
尾田南
尾田南
大バカ!
ころん
ころん
ええ…?




泣きながら、私は精一杯叫んでやった。



尾田南
尾田南
好きな人、に、告白されてっ
尾田南
尾田南
嬉しくないわけないじゃん!
ころん
ころん
!!?




私がそう叫ぶと、ころんは顔を真っ赤にした。



尾田南
尾田南
クリスマスも、デートのつもりだったし
尾田南
尾田南
チョコも本命だし
尾田南
尾田南
今呼び出したのだって、
告白しようと思ってたからだし!
尾田南
尾田南
なんなら、ずっと前、から…
ころん
ころん
待って
ころん
ころん
それより先は、僕が言うから




ころんは耳を真っ赤にしながら、はっきりと



私が一番ほしい言葉を_____



ころん
ころん
ずっと前から好きでした。
ころん
ころん
僕と、その、付き合ってください!




勢い良くお辞儀して、私の前に手を出すころん。



私はそんな改まったころんの姿がおかしくて、



少し笑いながら、かれの手をとった。



_______________________



尾田南
尾田南
そうだ!後で駅前のカフェのレジェンドパフェおごってよ
ころん
ころん
は?何でだよ!
尾田南
尾田南
我、今日誕生日なり!
ころん
ころん
あ…
尾田南
尾田南
お?忘れるとは良い度胸だな(^∀^)
ころん
ころん
いや違う!そうじゃなくて…
尾田南
尾田南
じゃあスペシャルセットも追加な!
ころん
ころん
いや小遣い足りん!
尾田南
尾田南
そこはなんとかし…な!?




段差に気づかずに私は転びそうになる。



しかし、その体はふわっと抱き抱えられた。



ころん
ころん
ドジ
尾田南
尾田南
うるさい




いつものように言い合うが、可笑しくなって二人で吹いてしまう。




そして、また手を繋ぎ直して駅前へと向かった。

























ねえころん。


























君に出会えて、本当に良かった_____

























青から、オレンジ色に変わる空の下、私は思いっきり息を吸った。

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