「いただきます」
俺らはカップラーメンを必死に完成させ、食べ始めた。
「うむ、美味じゃ。」
「戦国時代かな。」
というか翔ノッてくれるんだな。初めて知ったわ。
「僕は陰キャなだけでノリにはノれるんだよ。」
「大丈夫だ。俺も陰キャ。コミュ障、イェイ。」
「学生時代に会えてたらなぁ。」
「中学までならいたのになぁ、日本。」
「どういうこと?」
翔が箸を止めて聞いてきた。
「高校からイギリスにいたんだよね。」
「知らなかったわ。ってことは英語喋れるのか。」
「まぁね、ヨーロッパの言語だったら大体いけるよ。」
「より一層学生時代に会えたら良かったのにな。」と翔は言いながら箸をまた進め始めた。
「ぜんっぜん直らないな。」
窓に雨の水が叩きつけられ、風は家の中でも聞こえるような轟音をだし、おまけに不定期に明るくなる。
「こりゃダメだわ。だって見て。雨雲レーダーなんだけど。」
翔にスマホを見せられたので見てみるとそこにはどう考えても線状降水帯の雨雲があった。
「あぁ、やっちゃったねぇ、俺ら。テレビ見ないもんなぁ、俺らずーっとゲームしてたからさ。」
「明日もダメかもなぁ。」と翔が頬を掻きながら言った。
「まぁ楽しいからいっか。」
「いやダメだろ。」
「だって楽しくない?こういうの。」
「まぁね。」と翔が返してきた。
「ゲームが出来ないのってすげぇ暇!!だってサァ、暇じゃん!!!!!!!」
「良いか?一応書いておくけどお前さっきから暇ということしか言ってないの理解してるよな?」
「してない!!」
「理解して!」
そうよくわからないコントをしていた時、翔の電話がなった。
「電話はできるんだな」と翔が言いながら電話を取った。
「もしもしー。大丈夫そうですかー?」
「あ、ハヤト?こっちは大丈夫なんだけど停電してるー。」と言いながら電話をスピーカーにした。
「えー?そうなんですか。私のところは停電してませんよー。」
「僕もいるからね!」という声が電話から聞こえた。
「あ!もしかして緑仙!?何してんのー?」
「コラボしようてしてたらこの様。」
「成る程ね。僕もねー、Darkとコラボしてたら停電して落ちた。」
「え!?嘘でしょう!?Darkさん!?」
「あ、どうもー。Darkでーす。」
「緑仙です!」
「あ、あの歌が上手い人だ。」
「ちょっと待って?お前そんなイメージ持ってたの?」
「だって歌歌ってるイメージあるからさ。あのー、超.学生さんとコラボしてたよね。」
「あ、そうなんですよー。」
「あのー…私忘れられてます?」
「あ!社長!!!!!!!はじめまして。」
「はじめましてー。」
「ゼルダの奴すごい面白かったです。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。