第17話

大橋和也 × デート
4,403
2019/04/29 13:55





『もお、和くん遅すぎ…!』









彼との待ち合わせから30分以上が経った





それなのに一向に彼は現れない





どーせ寝坊して電車に乗り遅れたとかだろうな





そんな時間を使って待ち合わせ場所の近くにあった





スタバでずっと飲みたかった新作を頼んだ





うん、おいしい





これでちょっとは時間稼げたかなあ














「あなたー!!おはよおさーん!!」







ストーリーを見ながら新作を飲んでると





遠くから彼が大きく手を振りながらやってきた





はあ、やっときた









『もお!和くんまた遅刻!!!』





「ごめんやーん、電車が遅れてん…」





『電車が遅れたんじゃなくて和くんが乗り遅れたでしょ』





「はあい、ごめんなさあい」





『もういいから早く行こ!!』





「よっしゃ!行こか!!

 
 その前にそれ一口ちょおだい!!


 ……え!これめっちゃ美味いな!?」









うんともすんとも言う前に勝手に飲む和くん





絶対反省してないじゃん…!!









「もお!和くん!!勝手に飲むなあ!!」





『えへへ、ごめーん笑』





「和くんなんてもう知らんもん」





『ああ!ちょっとあなたー』









いつまで経っても変わらない和くんを置いて





1人先に歩く私





そうすると彼が後ろから追いかけてきて





私の手を掴む







「ちょっと、和くん、」





『んーなにい?』





「手、」





『久しぶりやねんからいいやん』







もう、そんなことされたら何も言えない





ぎゅっと手を握りかえしてみる







「あなた!?どおしたん!?」





『う、うるさい…早く行こっ』





「ほんまかわええなあ!!」





『そーゆーのいいから、


 今日はどこに連れてってくれるの?』





「着くまでのお楽しみでえす」





『むう、』





「きっと喜んでくれるはずやから!!」









今日は和くんレセクトのお店に行く予定





ふたりとも甘いものが大好きで





だいたいのデートはカフェとかスイーツ屋さん





和くん曰く今日はとっておきのお店らしい





和くんが選ぶお店はいっつも美味しくて





いつも幸せな気分になれる




隣に和くんがいるからってゆーのもあるのかな





………本人にはぜーったい言わないけど









「つーいたっ!!!」





『え、ここ!?』





「ここやで!いややった、?」





『違う違う!!ここ来たかったの!!』





「まじ!?よかったあ!!」





『でもこの行列に並ぶの、?』





「いーえ!はい!行くでえ!!」





『え、ちょっと和くん!?』







このお店は最近できた大人気のお店で





私もずっと来たかった





でも人気すぎて毎日大行列で行くのは





まだ先の話だと思ってた





まだ半信半疑の状態で和くんについていく









「予約した大橋です」





「ではこちらへどうぞ」





「あなたはよいくで」





『う、うん…!』









「あなた何食べるー?」





『ええ、全部食べたあい』





「ほんまに全部美味しそうやなあ」





『んー、これかこれにするう』





「じゃあ俺これにするから半分こしよか!」





『いいの!?和くんありがとお!』





「楽しみやなあ!!」














「お待たせ致しました、ごゆっくりどうぞ」







しばらくして頼んだものが運ばれてきた





美味しそうなのはもちろん、





見た目がすっごくかわいい









「『おいしそー!!!!』」





「まって!めっちゃ美味そうやん!!!」





『和くん早く食べよ!!』







写真を撮ってストーリーに投稿して(和くん付きで)





早速食べてみる







『ん!!めっちゃ美味しいいいい』





「まじ!?俺も一口頂戴や!!」







喋り終わると口をいっぱいに開けて待つ和くん





そんなのできる訳ないし…!!







『自分で食べてよ…、』





「なんでえや!はい!あーん!」





『もお、あーん…』





「ほんまや!めっちゃ美味しいな!!」







幸せそうに食べる和くんを見るのが好き





和くんの笑顔を見てると私まで笑顔になっちゃうもん







「あなた!俺のもあげる!はい!あーん!」





『え、自分で食べれるってば、』





「ええからええから!あーん!」





『あーん、』





「どおどおどお!?」





『ん!美味しい!!』





「やろ!?これもめっちゃ美味しいねん!」







まるで自分が作ったかのように





スイーツを推してべた褒めする和くん





それさえも愛おしくて





さっきまで怒ってた私はどこえやら








「めっちゃ美味しかったなあ!!」





『ん!美味しかった!和くんありがと』





「いーえ!また行こな!」














今日は和くんが2人分お支払いもしてくれた





和くんが遅刻したせいでいつもより短い時間しか





一緒にいれなかったけど





いつもより幸せだったからよしとする





これからもずっと和くんと幸せでいられますように。





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