ピーンポーン
チャイムが鳴って慌てて玄関を開けると春君が立っていた
携帯を確認すると春君からメール来ていた
《春:さっきは、ごめん!買い物一緒に行かない?》
よく考えたら一緒に水着買いに行くのって、一緒に選ぶって事だよね?恥ずかしいよ
春君の告白がきっかけで意識してるけど、これが恋愛的に好きなのかと聞かれると
いけない考えごとしてる場合じゃなかった
私達は駅前のショッピングモールに来ていた
水着フェア、去年買ったショップもやってる
ワンピースタイプの水着が欲しくて、並んでる場所を見ていると春君に呼ばれた
黒のオフショルダーでワンピースになっていた
少し大人っぽいデザインだけど、可愛い
お会計してショップの外に出ると荷物は春君が持つと取り上げられた
本当に優しくて、春君の彼女になる人は幸せだろうな
私達はここのキャラメルマキアートが、お気に入り
でも、今日は抹茶のフラペチーノの気分だな
真紘君が居ないからこれにしよ
テラスに出て、ゆっくり飲んでいた
私の好きな作家さんの新作が発売されてて、早く読みたかったんだよね
私も春君も真紘君もミステリー小説が好きで、お互い読み終わったら貸し合っている
読み終わったら、あーでもないこーでもないって話をするのが好きで楽しみでもある
いつもなら真紘君とやっていること
私がキャラメルで、真紘君が抹茶
春君、気を使ってくれたのかな?
それから本屋さんに寄って新作を手に入れて、帰宅途中
オリエンテーションの後、感じてた距離は今日は感じなかった
マンションの同じフロアーに家があるのに必ず家の前まで送ってくれる
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。