エントランスには、今日も壁に背中預けて本を読んでいる真紘君が居た
いつもと違うのは、ブックカバーと春君が居ないこと

あの日春君が帰ってしまった後、真紘君が来てくれた

誕生日プレゼントとケーキを渡した

荷造り手伝ってくれると言ってくれたけど、春君の告白で頭一杯の私は一人ですると追い帰してしまった

本をカバンに仕舞い歩き出した
春君のが居ないからか真紘君が、ペースを合わせて歩いてくれる

このまま春君と距離が出来てしまう気がして

そんなの絶対嫌なのに、どうして良いのか分からない

公園に着くと茉奈ちゃんが手を振って走ってきている

春君が居ないだけで、テンション上がらない

真紘君に聞こえないように言った

教室の扉を開けるとクラスの女子の視線がこっちへ
真紘君は本当気づいていないのかな?

カバンを置いたらいつも真紘君のところに自然と集まる

真紘君は本を読み始めた

去年の春君の誕生日にあげたプレゼント

それを見て真紘君も欲しいと言ってたから同じ物をプレゼントした

今日も凄く視線が痛いなー

キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン



６限目は自習になった

私達は４人でプリント解いてしまった
春君と真紘君は読書中でたまに会話に参加


しばらくすると
クラスの女子が春君にクラスの子が近付いてきた

春君の好きな人、私じゃなかったの？何でそんなツラそうな顔してるの？

春君…

クラスメイトたちが、何事かとこっちを見るも
プリントに目を戻した

女の子たちは泣きそうな顔で戻っていった

本当になんでかな？
あの子たちが告白してるの知って、春君が好きな人私じゃないって言ったからかな？



本当になんでかな？

私は真紘君が好きなはずなのに……

そう言って真紘君が微笑んだけど、いつもみたいに安心できない
何でだろう…

この不安な気持ちが何か分かるといいな