第10話

悲しみに暮れる姿(taiga side)
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2021/04/04 08:33
(taiga side)

夜ご飯の材料を買い終え、マンションに戻ると、フラフラとした足取りで部屋に入ろうとした、美桜の姿を目に捉えた。

そっと近づき表情を伺うと、落胆したような絶望したような、今まで見たことがない表情を浮かべていた。

今日、このまま一人にするのは危ない。

そう思った俺は、

大「入らないの?」

そう声をかけた。すると…

美「大我…」

美桜が俺のことを、きょもではなく大我と呼ぶときは、弱りきっているとき。

その様子を見た俺は、

大「とりあえず、俺の部屋でご飯一緒に食べない??話聞くから」

そう、美桜の手を握り、俺の部屋に入れた。

握った手は、冷たくて小さく震えていた。

美桜をリビングに通し、近くのソファに腰掛けてもらい、

大「自由にしてていいから。俺、ご飯作ってくるね。ハンバーグでいい??」

そう言って台所に行こうとしたとき、

ギュッと俺の裾を握られた。

美「大我…、あのね。他のメンバーには言えないんだけど……。大我にだけは言っておきたいことがあるの。」

そう小さな声で俺に告げた。

それに俺は、

大「うん。いいよ。教えて」


そう言い、美桜のとなりに向き合うように、座る。

そこで告げられたものは、予想もしなかった言葉だった。

美「私、今年でSixTONESから抜けようと思う。」

すべての音が一瞬止まってしまったかのように感じられた。

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