第14話

最期に会いたい人、それは②
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2021/07/06 12:17
(大我side)

あれから、美桜が倒れて、病院に運ばれたと、マネージャーから連絡があった。

実は、美桜には病気があって、でも、その病気が見つかったときには、もう手遅れで。

それを聞いた瞬間、美桜が言っていた全てのことが繋がった。

「私、SixTONESを抜けたい」

この言葉は、わがままなんかじゃなくて、俺らのことを思ってのことだったということを。

ごめん、仲直りしたい、愛してる

たった3つの言葉を言いたいのに、美桜は一向に目を開けようとしない。

もう目覚めないのかな。そんな最悪のことを思いながら、俺らは初の単独ライブ。

樹「きょも、そろそろ時間。」

心の中に突っかかった何が取れないままソファから腰を上げたときだった。

バンッ!!、!

「大我!!!!!」

夢かと思った。だって、昨日までまるで死んでるように寝ていた彼女が目の前にいたんだから。

「え、美桜??」

他の5人も美桜に駆け寄る。

「今からライブだよね?私準備する!!!」

その言葉を聞いて、

他「はぁ〜!?????馬鹿じゃないの?あなた昨日まで寝てたんだよ。」

でも、そんな言葉今の美桜には、何を言ってもきかない。

「うん、だけど今でないと!!!無理はしないから!!!」

ジェ「でも、………」

大「美桜。わかった。30分で準備して」

目をぱぁ〜っとして、うんうんとなんどもうなずき、メイク室へ走った。

樹「一体どういう風の吹き回し?だって、」

それは俺にもわからない。でも、一つだけわかるのは

“美桜の命がおそらくかなり短いこと”

死ぬ間際の人は、今までの不調がなくなると。


美桜「お待たせ!!!」

開始5分前。

ジェ「さ、いつものやつやりますか!!!」

一人ひとりハグをするという他のグループとはちょっと違ったルーティン。

最後にハグしたのは、俺と美桜。

俺の嫌な予感はあたる。

たぶん、今日のライブで美桜は最期を迎える。

なら、俺が伝えたい言葉を伝えるよ。

「美桜、愛してる。」

そう言うと

「チュッ」

みんなに気づかれないように、キスをしてきて

「私も!!!」

最高の笑顔を向けられた。

「さ、みんなを楽しませるぞ〜!!!」

「よしゃ〜!」

一人ずつライブ会場へ入っていった。

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