莉犬side
俺の友達が亡くなった
親友だった
元気で優しくて、たまにふざけて怒られる
そんな彼は交通事故で亡くなった
彼は家族で出掛けている時車に引かれた
いや、彼だけじゃない
彼の弟も一緒に引かれた
その子は3歳だった
三輪車がお気に入りでよくこいでいたらしい
彼らを引いた車の運転手は飲酒運転だったらしい
彼の墓に行くかどうか彼の両親に聞かれた
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墓地についた
彼らの骨を入れている
それを見ていると自然と彼らの死を受け入れてしまったような気がして
もしかしたら別の人だったりとかして
ってしょうもないこと考えて
彼が死んだ現実からも自分の気持ちからも
俺は顔を背けた
その子供はまだ小学校に入れる程の子じゃなかった
ただ向こうへひたすら三輪車をこいでいた
そして一人、俺らと同じくらいじゃないだろうか
迎えに来たのか抱っこして三輪車を持ち上げた
一瞬目を離した
そしたら
いなかった
普通の人間は一瞬で移動が出来るだろうか
そうだ
きっと幸せに過ごせるよ
あの三輪車は見覚えがある
彼と、弟の誕生日プレゼントに選んだ三輪車
子供を迎えに来たもう1つの人影はきっと
きっと彼だ
気づいた俺達は泣いた
ただ泣いた
彼の両親に話した
涙を流しながら俺達の話をゆっくり聞いてくれた
ごめんね
泣いてばっかりで
俺達はもう少し泣くから
そしたらお前の分まで生きるから
もし、死んで
次会えたなら
笑って、からかって、
いつも通り、話聞いてよ
それまで頑張るから
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!