ころんside
僕は今、心霊現象が起きると言われている旅館に来ています。
なんでかって?
そりゃ嫌だよ
僕は怖いの嫌いだもん
彼はさとみくんです。
はい、仕事仲間でございます。
さとみくんはそういうのが好きで……誘われました。
拒否したんだけどバナナで吊られました。
この日本人形がヤバいらしいんです。
噂だと夜にこの人形の髪が伸びるらしい
スッゴい……日本人形に夢見てたのかな……
でもそれが余計に怖いんだよ
まぁthe人形のそれは気にしないことにした
だって髪が伸びるのは夜だし
今は昼間、気にしない気にしない
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そのまま、観光の余韻で人形の事など忘れて旅館に戻ったらもう夜になる所だった
その人形の髪は相変わらず綺麗に切り揃えてあった
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なんとなく目が覚めた
水だけ飲んで寝よう
なんとなく心配になって人形を見るが髪は伸びていなかった
また一安心してからこちらを見て微笑む人形に
といって僕は寝た
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解説
噂は『夜に髪が伸びる』というもの
本人達は髪に意識がいっていたが髪は一切伸びていなかった
その人形は切り揃えてある髪と、無愛想な顔
『微笑むくらいは欲しかった』とある
つまり笑っていない
だが、目が覚めた時その人形は微笑んでこちらを見ていた
人形の顔は普通変わらない
じゃあ何故、あの人形は微笑んでいたのだろう
あの中に本当に呪いが宿っているのだろうか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!