今日も、お花を買いにお店に行った…っていうか、ウンサンさんを見にお店に行く。お花はついでだ。
いつと変わらない会話をして、花を選ぶ。正面に、見たことの無い花があった。「リナリア」と言うらしい。金魚みたいで可愛らしい花だ。
ウンサンさんが私の目を見てそう言った。何故か、私の心の中がバレたような気がして恥ずかしくなる。
いつもはここでお花を貰って、バイバイなのに、今日は違った。ウンサンさんから話しかけてくれる。
認めてしまった。花言葉は私にちょうど当てはまっている。ウンサンさんに気づいて欲しい…私はあなたが好きです。
気になる人…それが私だったらいいのに。途端に沈む気持ちを奮い立たせて、笑顔を作る。
ウンサンさんに名前を呼ばれて、口角がゆるゆると上がっていく。慌てて、顔を引きしめた。
あぁ、好きな人が待っててくれるそれだけで嬉しいなんて、。たかが店員さんとお客の関係から少しだけ進んだ気がした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!