第18話

Another8
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2021/05/23 15:00
従者
陛下!陛下!
秀太
何事ですか?騒がしいですよ
従者
省庁になぜあの小僧なんぞを首に据えるのです?あんな小僧にまとめる力なぞ到底あるように思いませぬ
秀太
それは陛下がお決めになったことです。貴方様が考えることではございません
康祐
最年少首席という立派な結果も聞いている。我はあの若者に賭けてみたいと思ったんだ。うまく行けば我がこの在位にいる間頼りになる存在になる。
従者
ですが、今まで支えてきた…
康祐
みんな父君より年上だ。つまりは何時亡くなってもおかしくないということだろう?
従者
先帝とお比べになっても…普通ですとまだまだ元気なご年齢です
秀太
あれ、おかしいですね?先帝様はお亡くなりになる特別な理由でもあったんですか?
従者
いやそんなことは…
康祐
急に皆の健康が心配になったのだ。父君は持病なく健康であったはずだ。それがあんなにあっさり病に倒れるのだから…
従者
秀太
なにか言いたげですが?
従者
なんでもありませぬ。ただこのようなことを続けていては後悔することになりますよ
 従者が部屋から出ていくと、2人顔を見合わせため息をつく。
秀太
見えてきましたね。
康祐
だな…。なぁ秀太、大丈夫だよな?
秀太
弱気になってます?
康祐
いや…
秀太
反応があるということは間違っていないってことだと思います。もう少し進めましょう。少しずつ戻ってきましたしね。頼りになる味方たちが
康祐
そうだな
秀太
ふみちゃんも頑張ってるみたいだから、頑張りましょ
康祐
あぁ
秀太
会いに行きます?今夜は行けそうですよ?
康祐
頼む。ふみも心配だけど、皇后にも…
秀太
わかーってますよ。でも、怒ってるだろうなー
康祐
確かに
秀太
大体、俺にだってほんとの事伝えてくれてなかったのは流石にねー
康祐
フォロー入れとくから~
秀太
ほんと、頼むよ
康祐
文哉と会えるの楽しみかも
秀太
変わってないよ。多分、普通に噛みついてくるから
康祐
だろうな
 立場が変わっても、また友達と繋がれること、親友と再会できること。これは、帝の地位につく時に諦めていた事だった。それがまた手に戻ってきたとき、懐かしさと共に以前には考えられない心強さを感じていた。

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