第20話

19 過去と思い
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2021/04/19 15:04
(末澤side)

俺は昔、両親が離婚して
父親が相当クズやったから
母親に連れられてんけど、
まぁその母親もまともじゃないからな
毎晩毎晩 家に人連れ込んだり
俺に金だけ残して1週間消えたりとか

まぁそんな人やった

俺はこうはなりたないって思って
必死に勉強して
なんやかんやで 上の下くらいの会社に入れる所まで行ってん

俺は必死に働いた
成績も優秀やった 自分で言うのもなんやけどそこら辺の先輩よりかはよっぽど優秀で、重要な案件とかも任されてた時、
会社の情報が外部に漏れたっていう事件が起こって犯人はこの会社の人間や ってなって
普段俺より成績悪かったヤツらがみんな一緒に言うねん
「末澤がやった」
「末澤が悪い」 って

それを信じる上司も上司でバカよな
俺は解雇 んでもって、
そんとき付き合ってた彼女とも別れて
俺にはなんもなくなった

そこそこ給料はよかってんけど
そんとき付き合ってた彼女とホンマに結婚するくらいの勢いやったから常識知らずな俺やから金もほとんどあっちが持っててまんまとはめられて


俺にはなんもなくなった


そこに現れたんが 亜希子

ボロボロやった俺を拾ってくれて
俺に帰る家までくれた

初めはありがたいなって思ってて
感謝しかなかった


けどな途中で気づいてん


亜希子の目が
むっちゃ怖いってことに

笑ってるんやけど笑ってないねん


それが怖くなって
やから保険っていうか
他の女を作って媚び売って住まわせて
もらったりしてた


そんとき覚えたんがカラダを使うってこと
それしたらみんな笑顔やねん
そん時だけやけどな

俺が生きるために身につけた


傍から聞いたら最悪やろ?

けど、よく考えれば腐っても親子なんやなって思うわ
あんな父親と母親からできた俺がクズやないわけないもんな



そうやって何とか生きてたら


亜希子に加え、立て続けに女の子にバレて
追い出されて

またひとりぼっち
1人は寂しくないけど、泊まる家もないし

雨も降ってたし
近くにあったアパートで少し雨宿りしてたら話しかけてきたんがあなた。

あなたがおらんかったら俺ホンマに死んでたんちゃうかな?

初めは
他の女の子と同じように接するつもりやった
けど、あなたはな…他の子とはちゃうねん

心から笑ってくれるし
こんな俺やのに住まわせてくれて

過去なんてわすれかけてた

ホンマに楽しかった
多分 …





恋… してたんやろな…(笑)





恋なんてしたことないし分からんけど
傍におりたいって思った
傍にいてほしいって思った

だから、バイトも始めた
あなたにだけは嫌われたくなかった


そんな矢先
久しぶりに2人で出かけた昨日


亜希子にバッタリ出会ってしまった
そっからは 聞いてるな?

追いかけたかったけど
足が動かんかった 声も出んかった

そんで、その辺の公園行ってたんやけど
気づいたらまたここに来てしまったって訳






クズやろ?俺
やからあなたの横におる資格なんてないねん










資格…なんて…

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