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第14話

彼女 ジンside
玄樹のことを好きな子と、玄樹が付き合うことになってひと月。

こういう時が来るだろうとは思ってた。
玄樹がいくら静かなタイプだからって、あんなきれいな奴をいつまでも皆が放っておくわけがない。
平野紫耀
平野紫耀
ジン、お前大丈夫?
神宮寺勇太
神宮寺勇太
……え?
平野紫耀
平野紫耀
あきらかに元気ない
そんなにかな。
玄樹が学校に来る前に戻っただけだ。
そう自分に言い聞かせる。

昼休み、玄樹は彼女に連れられて屋上で昼を食べる。
今も、二人で食べてるんだろう。
平野紫耀
平野紫耀
あきらかに食が進んでないし
人がまばらな教室。
玄樹の席に置きっぱなしのリュック。
俺とおそろいの青いボールのキーホルダー。

もう、どうにもならない。
平野紫耀
平野紫耀
ジン、玄樹に言やぁ良かったのに
神宮寺勇太
神宮寺勇太
…何を……?
平野紫耀
平野紫耀
別に…
お前ら、どっちも相談してこないしさ
あーあ、と紫耀が伸びをする。
平野紫耀
平野紫耀
玄樹のこと、好きなのかと思ってた
小さな声で悲しそうに紫耀が言った。
胸に冷たくて重い衝撃。
神宮寺勇太
神宮寺勇太
なんで…
平野紫耀
平野紫耀
見てたら、そんな感じしたんだよ。
で、玄樹もジンが好きなのかと思ってた。
目が熱くなって、あっという間に涙があふれた。
うつむいて、そのまま机に突っ伏す。
平野紫耀
平野紫耀
わり、もっと早く話聞けば良かったな
紫耀が俺の背中を軽くさする。
神宮寺勇太
神宮寺勇太
俺、こんな、の、初めてで…
玄樹、男だし、絶対無理、だろ?
堪えようとするほど泣けてきて、喉がひくつく。
平野紫耀
平野紫耀
場所変えるか?
しばらく医務室で休も
紫耀がタオルを貸してくれて、タオルに顔を埋めたまま、紫耀に医務室まで連れてってもらう。
岩橋玄樹
岩橋玄樹
ジン?…ジン!!
どうしたの!?
途中、玄樹が呼ぶ声がしたけど、紫耀が後で、と遮ってくれた。


昼休みなのに医務室には誰も居なくて、勝手に俺はベッドに入り、紫耀がアイスノンを取ってきてくれた。
神宮寺勇太
神宮寺勇太
玄樹のこと好きでさ…
ベッドの横に座った紫耀が何も言わずに頷く。
神宮寺勇太
神宮寺勇太
なんでわざわざ、
男を好きになるのかわかんねーけど、
どうしても玄樹が好きで
でもやっぱり有り得なかった。

こんなにすぐ、思い知らされるとは。
平野紫耀
平野紫耀
どうにもならないでしょ、そういうのは。
玄樹のこと好きな子がいて、話をしたがってるって、伝言を伝えたのは俺なのに。
きっと玄樹は興味ないって断ると勝手に思ってた。
岩橋玄樹
岩橋玄樹
話してみようかな
玄樹がその子と話してから、あっという間に二人は付き合い始めた。

俺達に自慢するわけでも、付き合いが悪いわけでもないけど。
昼休みは必ず二人で消える。
神宮寺勇太
神宮寺勇太
ずっと、卒業して玄樹に会えなくなるのが怖かったんだよ…

なのに、今は早く離れたい
アイスノンで目を冷やすけど、話すとまた涙が出てくる。
平野紫耀
平野紫耀
つらいよな…
タオルから顔をあげて、深いため息が出てしまう。
自分で自分に苦笑いが出る。
神宮寺勇太
神宮寺勇太
ふは…
子供の時以来かも、こんな泣くの
平野紫耀
平野紫耀
だって俺、初めて見たもん、ジンが泣くの

時間は戻らない。
玄樹も戻らない。

俺の腕の中にいた玄樹を、せめて覚えていようと思う。
もともと、叶わない思いだった。

もし時間を戻せても、きっと俺は言えない。