第10話

訓練開始
128
2019/06/21 10:55
鎖野 晴明
鎖野 晴明
じゃ、始めようか。












 ─数時間前





園川 安楽
園川 安楽
紬ちゃん、第一訓練室まで来い、だってさ。行こうか。
戌亥 紬
戌亥 紬
は、はい!


 紬の部屋のドアを開けて安楽が言う。


 対妖陰陽師本部には、陰陽師に一人ずつ部屋が与えられている。家に帰れず仕事をしなければいけないとき用だ。政府が資金を出してくれているらしい。





 長い廊下を歩きエレベーターに乗り、また歩き─



 第一訓練室の前につく。


戌亥 紬
戌亥 紬
ここが、訓練室…
鎖野 晴明
鎖野 晴明
ここはどんな激しい衝撃にも耐えられるようになってるんだ。政府が開発したらしいよ。
 当然背後から声が降ってきて、紬は心臓が飛び出しそうになる。

戌亥 紬
戌亥 紬
わわっ!晴明さん、いたんですか!?
鎖野 晴明
鎖野 晴明
ふふっ。ま、中に入って。
 晴明はニコニコしながらドアを開ける。
戌亥 紬
戌亥 紬
(や、優しい…。これから訓練とは、とても…)
園川 安楽
園川 安楽
紬ちゃん、晴明さんああ見えてもナンバー3の陰陽師だから、強すぎるってなったら助け求めてね。
 安楽が心配そうに紬に耳打ちする。
戌亥 紬
戌亥 紬
え、晴明さんそんなに強かったんですか!?…あ…
 紬が口を抑える。
鎖野 晴明
鎖野 晴明
んー?僕はこう見えてもナンバー3だよ?
戌亥 紬
戌亥 紬
す、すみません…
鎖野 晴明
鎖野 晴明
まあまあ。君の力に合わせて僕が選ばれたわけだから。それなりに力はあるよ?
戌亥 紬
戌亥 紬
えっと…晴明さんのお告げって確か…
鎖野 晴明
鎖野 晴明
「拘束」だね。使いようによっては化けるよーこのお告げ。
戌亥 紬
戌亥 紬
そうなんですか。わ、私大丈夫かな…。
鎖野 晴明
鎖野 晴明
力抜いていいよ。あくまで「コントロール」の為だから。安楽、訓練室の前で待機しといて。
園川 安楽
園川 安楽
りょーかい。頑張ってね、紬ちゃん。

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