第16話

妖の集い

142

2019/08/07 02:17



　そびえ立つ山の、奥深く。樹齢100年はとうに超えている巨大な樹が茂るその奥に、ひっそりと神社が建っていた。

天狗

えーっと？三大妖怪はこれで揃った感じ？

猫又

ああ。それで、酒天様からの話って…あれだろ？

天狗

そう。災厄が復活した。

九尾

猫ちゃんは対峙したんだろ？どうだった？

猫又

正直、あのまま続けてたらやばかったかも。

天狗

猫又っちがやばいって、相当じゃん！！えー俺やだなー。

九尾

で？あの力は使いこなせてる感じだったか？

猫又

いや、まだ力に使われてた。というか、その力を使ったこともあんまないっぽかったな。

天狗

ふーーん。じゃあ、まだ救いはあるね。

猫又

でも陰陽師の奴らがあいつの力を訓練とかすんじゃねえの？

九尾

それは厄介だな。




…　　沈黙が続く。
　次に口を開いたのは天狗だった。

天狗

酒天様は、力づくと仰ってたよ…。

猫又

！！！陰陽師の奴らからあいつを奪うってことか！？

天狗

うん…。

猫又

そんな！陰陽師の奴らと全面戦争になったら！どうなるかわからな

九尾

落ち着け。猫ちゃん。

猫又

九尾…

九尾

妖全勢力を持って陰陽師に対抗する。災厄の回収を行う。…天狗。酒天様の指示下の全ての妖に伝えろ。

天狗

…やるんだね…九尾っち。

九尾

ああ。





　天狗は烏の羽を出現させ、飛び立っていった。

九尾

こうはしてられない。行くぞ。猫ちゃん。

猫又

…ああ。

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編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。