第20話

十八
999
2022/06/01 13:15
あなた

おはよーございやーす。

あなた

休日の朝っぱらから呼び出すなんて何事ですかー。
此方とら訳あって寝不足なんすけど。

毒島メイソン理鶯
毒島メイソン理鶯
ふむ。然し、朝と言っても十時は活動時間ではないのか。
あなた

いやー其れがそうじゃない奴が居るんすよ。
此処に一人。




事の発端は数時間前。



家に帰ってやっと寝れた頃、悪魔の悲鳴の様にけたたましく鳴る着信音により叩き起こされた。


電話相手は銃兎先輩。



私は即無視を決め込み布団に潜り込んだ。



何時もなら数回鳴った後、プツリと切れるのだが今回は違った。
限界迄コールをし、自然に切れてしまっても掛け直す。
そんな作業が目の前で行われていた。



最初は違う人なのではと思い着信相手の名前を見返した。


然し相手の名は入間銃兎。
うん、間違ってない。無視だ。



だが、それでも鳴り止まず三回…五回と鳴り響いた。


其れから数分後、一つの留守番電話を残しやっと鳴り止んだ。



やっと終わった……。
休日にこれは毒だなと思い、眠い目を擦りながら残されたボイスメッセージを確認する。
そして絶句した。留守電の音声を再生すると「十時迄に左馬刻の事務所に来い。さもないと減給だ。」と残されていたからだ。


おいおい、勘弁してくれよ。



あの男、本当にお巡りさんなのか本気で怪しくなってきた。

否、今はそんな事はどうでも良い。
それより、つい昨日買い物で散財した身に減給はかなりキツイ。
そしてあの男なら其れを本当にやりかねない。


奴には其れだけの権力があるからな……



だから重い身体に鞭を打って来た次第だ。




あなた

要件あるなら電話でも良いでしょ。
何で態々招集かけるんすか。

碧棺左馬刻
碧棺左馬刻
あなた、座れ。
あなた

は?

入間銃兎
入間銃兎
いいから座れ。


二人の声が何時もよりやたらと低い。



あーーーー、これは……



……………なんか怒ってる………



何でだ?左馬刻のダンナなら何時もキレてるからまだしも、銃兎先輩まで?



そう言えばなんかボイスメッセージの声も何時もより何トーンか声が低かったような……



取り敢えず座ろう。考えるのはその後だ。



私は二人から成る可く遠い、理鶯さんの隣の席に腰を浅く下ろした。



あなた

えーーっと、……私なんかしましたっけ。



やべぇ、何した私?!


身に覚えがあり過ぎて全く判らん。



あなた

あーー、先輩の机に置いてあった缶コーヒー飲んじゃった事ですよね。さーせんした。

入間銃兎
入間銃兎
初耳なんですけど。


あっ、墓穴掘っちゃった。





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