私と貴方は愛し合っていた。

貴方は、全然嘘をつかないし、私も嘘はつかないタイプだったのよね。

2人とも記念日は大事にする派だったけど、手を繋いだ記念日とかは全然やんなくて。
コーヒーの日とか、ピーナッツの日だとか、毎日朝に記念日を調べて毎日のように祝ってたっけな。

どっちも照れ屋で、なかなか切り出せなくて。
したいって気持ちはあるくせに、変にムードはこだわるし、最初の方は大変だったよね。

そんな私達にとって、クリスマスは大イベントだった。

だって、私の誕生日は12月20日で、貴方の誕生日は12月30日だったんだもの。

真ん中バースデーで一気にお祝いできたし、クリスマスはクリスマスで楽しかったしね。

ケーキを買って、あとチキンも。プレゼント交換は絶対恒例だったっけなぁ。

貴方……私に嘘をついたよね。クリスマスの日に。

私、悲しくてたまらなかったよ。だって、約束までしたのに……酷いじゃない？

そのせいで、私にとって毎日楽しかったクリスマスは、辛い思い出に変わっちゃったし、何より、自分の誕生日を、嫌わなくなっちゃったのは残念だな。

……ねぇ、声。届いてますか？私、怒ってるんだよ。

約束果たすまで…………許さないからね。

今日は12月20日。私の誕生日。そして……

貴方の命日です。

5年経ったけど、まだ、私には好きな人など出来ていません。

｢来年またお祝いしようね｣

あの約束が、頭にこびりついて離れないのです。