男にとって、女って洋服みたいなものよ。
洋服にした意味は二つ。
1つ目は、所詮彼女なんてステータスでしかないということ。自慢したり、自分をよく見せるための、そんなもの。
もう1つは…みんなが思うより、男は女を顔で選んでるってこと。だって、貴方は服を買う時、寒くないけどめっちゃダサい服と、ちょっと寒いけど自分が可愛くなる服、どっちを選ぶ?
答えは明白でしょ。そういうことよ
つまりはね、私は勝ち組なの。ごめんなさいね、羨ましいでしょ?
どんな絆も、もろくて笑っちゃうもの。
私が近ずけば、すぐ解けるんだからね。か弱い糸のよう…。まぁもっと可愛い服が着れるなら乗り換えるに決まってる物ね
期待ってものはなくなったわ。だってそういうものだもの。
そういえば…初恋もまだかも。可哀想な人間?恋してるって勘違いしてる貴方の方が可哀想よ。
人に理想を押し付けて、その理想に恋してるだけだもの。
そんな恋なら、私はいらないわ。
誰でも私を欲しがる、手に入る。とっても楽しい人生だわ。手に入らないものなんてない。……………はずだったのに!!
貴方は、私を選んでくれなかった。
貴方には彼女がいた。でもそんなのいつも通りだった、彼女を捨てて私を選ぶのが、いつも通りの展開だった…なのに。
貴方は…私を選ばなかった。好きな人を抱きしめて離さなかった。
私の思わせぶりな態度にも一切惑わされず、好きな人を愛していた。
皮肉にも、私はその真っ直ぐな想いを見て初めて恋に落ちたのだ。
初めて見た…初めてだった、私に変えない人、恋をしている人、恋しい人。
まぁ、ここまでが今までの回想な訳で…。
振られた後にいくら考えても、意味などないのだけれど。
「俺は、ナオミが好きだから……」
うん、知ってる。ずっと前から、知ってた。
人に向かって笑うの、久しぶりな気がするなぁ…。
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人と結婚すると決意した。人と付き合ってた人じゃなくて、合コンで出会った人。
声とか、顔とか、ちょっとタイプかもしれない人。
でも、好きかどうかは微妙。そう思ってたけど、違ったな。この人に会ったら、やっぱり恋じゃないかどうか、分かっちゃうんだな。
………………残念。でもいいや、顔と声がタイプなら、いるだけで目の保養だしね。
答えない。その質問の本意も知らない。
ただ、どっちも既婚者だし、希望などないし。
まぁいいや。私のココロなんて。私はこの人を好きだとしても。
見てるだけでいいでしょ。
私は私の洋服と、誓ってみる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。