第14話

dreizehn 仲間となり
538
2021/05/09 04:20
朝の騒動は何とか収まり朝食の時間がやってきた。朝の担当はショッピだったよう。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
リッター、ベトリューガー、ガオナァ。すまんな。
チーノ
チーノ
いつものことなんで…マジで怖いわ
トントン
トントン
いや……俺らも面白がって入ったんで
鬱先生
鬱先生
死ぬかと思った
何も知らないグルッペンたちは頭にハテナマークを浮かべ彼らを見ていた。
何故か兄さんとひとらんらんはクスクスと笑っている。
ひとらんらん
ひとらんらん
キャプテン、朝弱いの?
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
うむ…みたいだ。
兄さん
兄さん
無自覚かよ
いつのまにか“キャプテン”呼びになったのか?
不思議に思うオスマンはじっとロイバァを観察した。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
そうだ………コネシマとやら。
体調はどうだ?
コネシマ
コネシマ
…………
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
聞こえんのか?と言うことは俺に対して殺意があると言うことだな。
鬱先生
鬱先生
シッマ〜
コネシマ
コネシマ
?なんや?
鬱先生
鬱先生
キャプテンの話聞いたた?
鬱先生の言葉に首を傾げるコネシマ。ロイバァの言っていることは本当らしい。
ひとらんらん
ひとらんらん
コネシマ、キャプテンの話聞いてあげて
しょげるから
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
そうだな。
しょげるぞ(´・ω・)
コネシマ
コネシマ
いや、いつのまにか仲やなってんねんお前ら!!!!
ひとらんらん
ひとらんらん
昨夜からだよ
俺が欲しかった刀くれたの
拗ねているロイバァは子供のようで思わずクスリと笑ってしまうトントン。
年上である彼がそんな顔をするんだな、と思って。
ロボロ
ロボロ
そういえば、ロイバァ…さん。
俺って呪われてるん?昨日の話やとそう言うことになるんやけど
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
ん?あぁ、言ったな。
『天に届くくらいの声を、勇気を。己を示せ』と言う伝説のものがあってな。
そのペンダント、身につけた時から声がよく通るのではないのか?
ロボロ
ロボロ
!?な、何でわかるん!?
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
それが【魔女の涙】だからだ。
魔女と言うより“セイレーン”だと俺は思うが
大口を上げてパンを食べるロイバァ。
何故かその様子を見て引いているショッピとチーノ。
エーミール
エーミール
私も……呪われてるんでしょうか?
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
お前、全てのページが白紙の本を手に入れただろう?
エーミール
エーミール
!!は、はい
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
それが【魔女の涙】だったんだよ。
『ここに願いを書けば必ずや叶う。代わりに汝の色を貰う』と言う本だ。
願いを綴れば、色素が奪われる。
エーミール
エーミール
確かに!願い事を書いたら髪と瞳の色素が無くなりました!
全ての出来事を言い当てるロイバァ。何故、そこまでわかるのか。
グルッペンは不思議に思った。
グルッペン
グルッペン
何故、わかる?
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
見えているからだ。千里先まで。過去も、道もな。
俺は複数の魔女に呪われている。
グルッペン
グルッペン
俺も、探したい。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
はぁ?やめておけ。
グルッペン
グルッペン
トントンや鬱、ひとらんらん、兄さんまでも連れて行っておいたか?
ショッピとチーノは元々お前の仲間かもしれんが
グルッペンの言葉に一度黙り込む。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
国を作るんじゃねーのか?
グルッペン
グルッペン
国だ?そんな話はどうでもいい!!それよりも面白いものを見つけた!!海賊として【魔女の涙】やらを探す旅!!こんな素晴らしいことがあるか!?否、あるわけがない!!
グルッペンの言葉にトントンが呆れ始める。ショッピとチーノは懐かしさを覚えた。
昔のロイバァもこんな感じだったから
グルッペン
グルッペン
海賊・ロイバァ殿よ!!我々を仲間に入れたまえ!!お前は船員が増え自分達の仕事が減り、我々は衣食住もあって楽しいことができる!!
海の主役は我々だ!!!
高らかに演説をするグルッペン。最初の頃と言っていたことが真逆で。この短時間でロイバァを認めたような言い方。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
ククっ………あははは!!!
良いだろう!面白い!!その覚悟しかと受け取ってやるさ!!
弱音を吐いたその時は海へ投げ捨ててやる
その表情はかつて強国の総統だったあの人に似ており、みんなが懐かしさを感じていた。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
全員に名をくれてやろう。
グルッペンよ。お前は『コマンディール』。仕事は主に俺の補助
グルッペン
グルッペン
ほぉ……なるほど
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
エーミールと言ったか?
お前は『レーラー』だ。
お前には航海術を学んでもらう。ガオナァの補助につけ。
エーミール
エーミール
は、拝命しました
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
ロボロだったか?
お前は『ヴェヒター』だ。
お前には武器、食糧などの管理職であるクーパーについてもらう。昨日、リッターに教えたから聞くと良い
ロボロ
ロボロ
り、リッターって?
あ、わかったわ
リッターと言う人物が誰かわからなかったがトントンがひらひらと手を振っていたのですぐに理解した。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
ゾム。お前には『ラーヴァ』と言う名をやろう。
ボースンについてくれ。お前なら手慣れているだろう?
ゾム
ゾム
わかったわ。癪やけどな。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
そうか?俺は嬉しいがな。
なんせ、長年手に入れたかった人材を手に入れたのだから。
ゾム
ゾム
え。
ロイバァの言葉に驚愕するゾム。今までこの海賊には一度だって勝てたことない。それに、罵られて来たと言うのに……
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
シャオロン。
お前には『レープハフト』の名をやろう。
ゾムと同じくボースンについてくれ。
シャオロン
シャオロン
俺の名前知ったたんや。
りょーかい!
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
当たり前だ。お前だって優秀なのだから。欲しいに決まっているだろうが
シャオロン
シャオロン
は、恥ずっ!!
さらっと言ったのけるロイバァに思わず照れてしまうシャオロン
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
コネシマ。
お前には『ラウト』と言う名をやろう。
その言葉にチーノとショッピがクスリと笑う。
コネシマ
コネシマ
何で上からやねん。

で、おいこら!チーノ、ショッピ!!何笑とんねん!!!
チーノ
チーノ
いや、だってw
名前の意味wwww
ショッピ
ショッピ
あはははwwwwピッタリやないですかwwww
コネシマはキッとロイバァを睨む。ロイバァもニヤニヤと笑っていた。
コネシマ
コネシマ
おいこら、何て意味やねん
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
『煩い』
ま。提案したのはあの2人だ。
コネシマは2人を怒鳴りに向かっていたが、大きな声なので煩い。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
さて、オスマンとやらよ。
お前の名を提案したのはフェヒターだ。
『ガーディナール』
オスマン
オスマン
フェヒター?って……もしかして、ひとらん?
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
そうだ。
お前の話を昨夜聞いてな。船医の補助をして欲しい。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
しんぺい神よ。
お前は『アールツト』と言う名をやる。
船医として頼む
しんぺい神
しんぺい神
わかったわ。
昨日、ショッピくんとチーノくんにも頼まれたしね
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
みたいだな。報告にあった
チーノとショッピはロイバァに向けてドヤ顔を見せる。
まるで、子供のように…
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
ったく、本当にアイツら年上か?
全員
え?
チーノ
チーノ
年上ですー!
ちゃんと21歳や!
ショッピ
ショッピ
せやぞー!!
チーノとショッピはロイバァの肩を組みながら絡みに行く。
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
で、お前らは一体、何に驚いている?
トントン
トントン
え、きゃ、キャプテンって何歳なん?
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
19だが
鬱先生
鬱先生
ウソん!?
キャプテン・ロイバァ
キャプテン・ロイバァ
本当だが?嘘をついてどうする
驚きの事実に船内のざわつきはさらに大きくなって行った。
最年長だと思っていた船長が、実は最年少だとは……
とチーノ、ショッピ以外おもったのであった。

プリ小説オーディオドラマ