大我side
ガシャンッ
となりの部屋から大きな音が聞こえた。
(大我)どうかしましたか??
(スタッフ)機材が倒れて、、撮影してた樹くんが、、
樹が機材の下敷きになった。
その言葉を理解するのに時間がかかった。
なんで、どういうこと、、
混乱した頭で隣の部屋へ向かう。
(スタッフ)樹くん!!
スタッフさんが必死に声を掛ける先には機材の下敷きになって、頭から血を流した樹がいた。
待って信じられない、、
(大我)樹!?樹!
思わず樹の体を揺らす。
(北斗)待って。揺らさない方がいい。
(ジェシー)機材はどかせれたね、、
(慎太郎)救急車呼ぶわ!
どんなに話しかけても
どんなに肩をたたいても
目を開けない樹。ただただ、怖くてパニックになる。
(優吾)大我、落ち着いて、、
北斗が頭を押さえて止血しようとしてくれてる、
(北斗)樹!樹!だめだ、反応がない、、
しばらくして救急車が着いた。俺と北斗が乗り込む。
救急車に乗ってからも、樹は点滴に繋がれて何も話さなくて、手は冷たくて、
その細い体が一段と細くみえた。
嫌な妄想ばかりしてしまう。
俺は何も出来てないし、もし樹が死んじゃったら、、なんて最悪なことを考えてしまう、
ただおれは樹の手を握ることしかできなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!